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秀生side
彼女の言葉にハッとして顔を上げると、真っ直ぐに俺を見つめる目とバッチリ目が合った。
「嘘つき……？なんのこと？」
『皇輝からのこの手紙には、もう1つ書いてあることがあったの。それは、"あじは嘘つきだ"って、たった一言。たった一言だけど、私はずっとこの一言に苦しめられてきた…。あなたのことを信用したいし、好きになりたかった…。』
彼女が持っていた手紙がクシャりと音を立てる。
音のした方に目を向けると、彼女は強く拳を握りしめていた。
その手は少し震えているようにも見えた。
『嘘つきってどういう意味？あじくんと、皇輝の間にあの時何があったのか教えて欲しい…。じゃないと私は、あなたのことを一生すきになれない、』
気づいたらポタポタと床に落ちる彼女の涙に、一瞬だったけど幸せだった彼女との生活がフラッシュバックした。
彼女は皇輝くんから、俺のことをそんなふうに聞いていたのに、俺に優しくしてくれた。
それがたとえどんなに束の間の幸せだったとしても、ずっと彼女の視界に入ることすらできなかった俺には、生まれてきて1番幸せな瞬間だった。
彼女が俺を拒み続けた理由も、その手紙が理由だったと知れたから、ただ彼女が俺のことを嫌っていただけじゃないと知れたから……。
ああ、もうきっと嘘をつき続けることは出来ないのだと悟った。
「…物心ついた時から、Aちゃんのことがずっと好きだったんだ。最初は、ただ純粋にAちゃんのことが可愛くて、守りたい存在だって思ってた。」
なぜこんなことになってしまったのか、
なぜあんなことをしてしまったのか、
それはただ純粋に彼女を好きだった、それだけなんだ。
「…でもいつもAちゃんを守るのは俺じゃなかった。Aちゃんの隣には当たり前のように皇輝くんがいて、俺が守らなくても皇輝くんが守ってた。Aちゃんも、俺と皇輝くんが横に並んでいたとしても、先に声をかけるのはいつも必ず皇輝くんだった。」
もう一度、彼女と目を合わせると、彼女はじっと目をそらすことなく見つめ返してくれた。
「悔しかったんだ…。俺だって、二人と同じ時を過ごしてきたはずなのに、二人の間には全く割り込めなかった。だから、幼かった俺が精一杯考えたのは、皇輝くんがいなくなればいいって、最低なことだった。」
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか - 少年忍者箱推しなのでめっちゃ楽しく読ませてもらいました。これからもがんばってください。応援してます。 (2023年3月22日 22時) (
レス) @page45 id: c044ba1e90 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 琉依さん» コメントありがとうございます！きまぐれ更新だったのに待っていてくださる方がいたなんて嬉しいです( ߹꒳߹ )もうまもなく完結かと思いますのでぜひ最後までお楽しみください🌟 (2021年9月20日 17時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - はじめまして！いつも続きを楽しみにしています！また更新していただけてとても嬉しいです。主人公ちゃんが皇輝くんの手を取ってくれるのかとても気になります。続きを楽しみにしています💕✨ (2021年9月19日 23時) (レス) id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉もありがとうございます(；_；)更新する気はバリバリにあります！が、なかなか時間が取れず遅れており申し訳ないです…。現在続きを執筆中ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです(ToT) (2021年9月7日 3時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ほのさんはじめまして！おすすめにこの作品が出てきたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、とても内容が私の好みで読んでいてとてもワクワクしました。このお話を更新する予定は無いのでしょうか？ (2021年9月3日 1時) (レス) id: c09227ab17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年12月19日 20時
