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*
秀生side
「…どういうこと？」
皇輝くんに振られたから？
だからあんなにすんなり俺に乗り換えたの？
Aちゃんの態度が急に変わった理由がわかって、モヤモヤが晴れたような気持ちの一方で、Aちゃんは皇輝くんに振られただけで、気持ちが変わったかどうかなんてわからない。
しかも、皇輝くんはAちゃんと接触できるくらい近くにいる、あの時もう二度と近づけないように遠ざけたはずなのに。
色んな感情が渦巻いて、それは怒りとなって表情にあらわれていたと思う。
それでも、彼女は1歩も引かず、強い女の子だった。
『これ、』
「……なにこれ」
『皇輝がいなくなった時、私に残してくれた手紙。』
「っ、そんなものっ、」
『ここにね、18歳になったら迎えに行くって書いてあったの。』
彼女の力強い目が、少しだけ潤んでいる気がした。
その続きなんて聞きたくなかったし、聞く義務も無かったのだろうけど、この時の俺はなぜだか力が入らなくて。
ただ彼女の話に耳を傾けることしかできなかった。
『…だから、皇輝の18歳の誕生日まで待った。待ち続けた。だけど、1週間過ぎても1ヶ月経っても、皇輝は現れてくれなかった。だから自分から探しに行ったの。』
知らなかった。
彼女がそんなに強い女の子だったなんて。
『だけど、皇輝は私のこと好きじゃないって、だから迎えに行かなかったって、そう言ったの。そんなこと言われたらどうすることも出来ないじゃない。頼みの綱だった人から拒絶されて、私はあなたとの結婚を受け入れるしか無くなった。』
「だから急に優しくなったの…？」
『そう、きっかけはそう。だけど、あなたが優しいのは私が1番知ってたから。』
「…え？」
『小さい頃から、私に見えないところでたくさん尽くしてきてくれてるの気づいてたから。だから、あなたのこと拒絶できなかった。』
「俺は別に、」
『料理できるようになったの、私が料理が苦手だから料理が上手な人と結婚したいって言ったからでしょ？ケーキひとつ取ってもそう。私の知らないところで、あなたは私に苺の大きい方のケーキが渡るようにしてくれてた。』
全部気づかれていたなんて、気づいて欲しかったのは自分のくせに、いざ言葉にして言われると自分のことをものすごくだせぇやつだなって思った。
『優しいあじくんは好きだよ、だけど嘘つきは嫌い。』
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか - 少年忍者箱推しなのでめっちゃ楽しく読ませてもらいました。これからもがんばってください。応援してます。 (2023年3月22日 22時) (
レス) @page45 id: c044ba1e90 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 琉依さん» コメントありがとうございます！きまぐれ更新だったのに待っていてくださる方がいたなんて嬉しいです( ߹꒳߹ )もうまもなく完結かと思いますのでぜひ最後までお楽しみください🌟 (2021年9月20日 17時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - はじめまして！いつも続きを楽しみにしています！また更新していただけてとても嬉しいです。主人公ちゃんが皇輝くんの手を取ってくれるのかとても気になります。続きを楽しみにしています💕✨ (2021年9月19日 23時) (レス) id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉もありがとうございます(；_；)更新する気はバリバリにあります！が、なかなか時間が取れず遅れており申し訳ないです…。現在続きを執筆中ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです(ToT) (2021年9月7日 3時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ほのさんはじめまして！おすすめにこの作品が出てきたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、とても内容が私の好みで読んでいてとてもワクワクしました。このお話を更新する予定は無いのでしょうか？ (2021年9月3日 1時) (レス) id: c09227ab17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年12月19日 20時
