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*
Aside
『…ただいま、』
初めてかもしれない。
この家に引っ越してきてこの言葉を言ったのは。
すごく小さな声だったはずなのに、すぐに足音が聞こえて、びっくりしたような表情の彼が出迎えてくれた。
「…おかえりなさい。」
気が動転でもしてるのか、きょろきょろ目を泳がしながら小さな声で言う彼になんだか意地悪したくなった。
『あー、お腹すいたな。ご飯ある？』
「え……。」
『ないの？』
「いや！あるよ！！待ってた、Aちゃんが帰ってくるの！」
『良かった、早く食べよ？ひでくん、』
「え！？」
またしても動揺している彼の目の前を何事もなかったかのように通り過ぎる。
これくらいのことでびっくりしてたら結婚なんか出来ないよ？
『なにびっくりしてるの？』
「いや、今ひでくんって……」
『そりゃそうでしょー、もうすぐ私も安嶋になるのにあじくんはおかしいでしょ、』
「そうだけど……」
『何その顔？』
今度は怪訝そうな顔で私を見るから、失礼だな、なんて。
私だって鬼じゃないもん。
あなたのこと全く見てなかったわけじゃないんだから。
「…どういう風の吹き回しかなって。」
『さあ？なんだってよくない？抵抗したところで親の言うことには逆らえないし、なんか気分が変わったの。あなたに冷たくするのも疲れたし。』
「そっか、そうだね、うん。」
それだけ言うと、彼は私の顔も見ないでスタスタとキッチンの方に行ってしまう。
慣れてないのかな、、、
顔真っ赤だった、、、。
そんな彼のことを少しだけかわいいなと思った。
「はい、お口に合うかわかんないけど…」
『食べれたらなんでもいいの、私は。』
「うん、」
目の前に出されたのは、なんだっけ？たぶんビーフストロガノフ。
あまり食に興味のない私と比べて、あじくんはいろんな料理を作れるらしい。
食べたことないけど、ちゃんと私の分まで作って毎日帰りを待ってくれてるのは知ってた。
『…美味しい、』
「……良かった。」
『御曹司なのになんで家事できるの？』
「なんでだろ？気づいたら出来てたから、理由なんてもう忘れちゃった、」
そう言う彼は少しだけ寂しそうな目をしていた。
『ねえ、ひでくん、』
「ん？」
『今日一緒に寝よっか？』
「え、」
驚いた声を出す彼の目は、恥ずかしくて見れなかった。
*
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやか - 少年忍者箱推しなのでめっちゃ楽しく読ませてもらいました。これからもがんばってください。応援してます。 (2023年3月22日 22時) (
レス) @page45 id: c044ba1e90 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 琉依さん» コメントありがとうございます！きまぐれ更新だったのに待っていてくださる方がいたなんて嬉しいです( ߹꒳߹ )もうまもなく完結かと思いますのでぜひ最後までお楽しみください🌟 (2021年9月20日 17時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - はじめまして！いつも続きを楽しみにしています！また更新していただけてとても嬉しいです。主人公ちゃんが皇輝くんの手を取ってくれるのかとても気になります。続きを楽しみにしています💕✨ (2021年9月19日 23時) (レス) id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉もありがとうございます(；_；)更新する気はバリバリにあります！が、なかなか時間が取れず遅れており申し訳ないです…。現在続きを執筆中ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです(ToT) (2021年9月7日 3時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ほのさんはじめまして！おすすめにこの作品が出てきたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、とても内容が私の好みで読んでいてとてもワクワクしました。このお話を更新する予定は無いのでしょうか？ (2021年9月3日 1時) (レス) id: c09227ab17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年12月19日 20時
