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*
皇輝side
｢一つだけ言えるとしたら、君はその真実を知っても幸せにはなれない。それだけ。｣
『……知らずにいても幸せにはなれないよ？そんなの皇輝が1番わかってるでしょ？』
涙をたっぷり溜めた目で俺を見上げるAに、昔から変わらないその上目遣いに、少しだけ心が揺れそうになった。
その上目遣いをされる度に、彼女を守らなきゃ、助けなきゃ、そう思ったものだ。
きっと、知らない方がまだ幸せだよ。
真実を全て知ったら君は自分を責めるでしょ？
そんなの、俺がやだ。
それならまだ、何も知らないで、あじのものになってくれた方がいいのに。
……あんな手紙のことなんか忘れて。
もしも、タイムスリップできるとしたら、あの時に戻って過去の自分に言いたい。
そんな意味深な手紙は残すなと。
『…嘘つきな人と結婚なんかしたくない。皇輝が何も言わないなら、私はこの婚約を破綻させる。』
｢そんな勇気ないくせに。｣
『…わかってるならっ！わかってるなら、全部教えてよ……。全部教えて私の事連れ去ってよ……。』
｢え？｣
俯いてしまった彼女の目は見えない。
どんな意図を持ってその言葉を言ったのか。
そんな簡単に言わないで欲しい。
俺だって、それが出来たらとっくの昔にそうしてたって。
『…私ずっとあの言葉を信じて待ってたのに。』
｢あの言葉？｣
『18歳になったら迎えに行くって、待ってろって
そう書いてあったんだもん。ずっと信じて、皇輝の18歳の誕生日までは耐えようって思ってたのに……。迎えにこないんだもん。自分から行くしかなかったんだもん。』
テーブルの上で握り締められたAの拳の上に、1粒の水滴が垂れる。
ポロポロ、まさにその擬音語がぴったりなようにAの目からは次々と雫が溢れた。
泣かせて、ごめん。
約束を守れなくて、ごめん。
だけど、今の俺じゃ、
｢……ごめん、Aのこともう好きじゃないからさ。｣
その涙を拭ってあげることは出来ない。
最後くらい、名前を呼ぶことを許してよ。
｢……さよなら、A。幸せになってね。｣
『……皇輝っ！』
止まることの無い涙もそのままに、Aは俺を追いかけようとしたけれど、知ってるよ、君が俺が追いかけられないこと。
そこにうっちーのカバンあるもんね。
ごめんね、A。
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あやか - 少年忍者箱推しなのでめっちゃ楽しく読ませてもらいました。これからもがんばってください。応援してます。 (2023年3月22日 22時) (
レス) @page45 id: c044ba1e90 (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - 琉依さん» コメントありがとうございます！きまぐれ更新だったのに待っていてくださる方がいたなんて嬉しいです( ߹꒳߹ )もうまもなく完結かと思いますのでぜひ最後までお楽しみください🌟 (2021年9月20日 17時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - はじめまして！いつも続きを楽しみにしています！また更新していただけてとても嬉しいです。主人公ちゃんが皇輝くんの手を取ってくれるのかとても気になります。続きを楽しみにしています💕✨ (2021年9月19日 23時) (レス) id: dae3c1a76c (このIDを非表示/違反報告)
ほの(プロフ) - ?さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉もありがとうございます(；_；)更新する気はバリバリにあります！が、なかなか時間が取れず遅れており申し訳ないです…。現在続きを執筆中ですので今しばらくお待ち頂けると幸いです(ToT) (2021年9月7日 3時) (レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - ほのさんはじめまして！おすすめにこの作品が出てきたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、とても内容が私の好みで読んでいてとてもワクワクしました。このお話を更新する予定は無いのでしょうか？ (2021年9月3日 1時) (レス) id: c09227ab17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年12月19日 20時
