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「ねえ、平塚。男と女が密着してチェキを撮る状況、これってなんだと思う？」
「なに？また例の友達？」
「んー、まあ？」
「チェキねえ、地下アイドルとかじゃない？」
「地下アイドルって男もあんの？」
「知らないけど。」
いつもと同じ教室の後ろの端っこの席。
筆記用具をカバンにしまっている平塚のことをぼーっと眺めながらそんなことを聞いた。
平塚ってこんなんだけど、俺の知らない世界をたくさん知っている気がする。
俺の世界はすごく狭いんだなって最近よく思う。
「ほら、これがある時代なんだから自分で調べなよ。」
そう言って手に握らされたスマホ。
検索欄に"地下アイドル 男"と入れて検索ボタンを押すと、目に入る"メンズ地下アイドル"の文字。
ほんとにあるんだ、男の地下アイドルって。
「平塚の言う通りだわ、ほんとにあった。」
スマホの画面を見せると、「へぇ〜」なんてまさに他人事って感じの返事が返ってくる。
さらに検索欄に"チェキ"を追加すると、おそらくファンがあげているであろう地下アイドルとのチェキの画像が沢山出てきた。
Aのやつもこんな感じだったな、やっぱあいつも地下アイドルなのかな。
「これって撮るのに1枚いくらくらいすんのかな？」
「女の子の方だと500〜1500円って聞いたことある。」
「なんで知ってんの！？」
「友達がオタクしてる。」
「平塚のその人脈なんなの、」
やっぱり平塚のそういうとこは人脈来てるのか、なんて妙に納得してしまう。
1枚1000円だとしたら、あの枚数相当な額だよな。
普通のバイトじゃ足らなくてそういうのに手を出してしまうのも分からなくはない、分からなくはないけど。
問題はそこではなくて。
なぜあのAが、そういう文化とは1番縁が遠そうだったAが、そこにハマってしまっているのかということだ。
「っあー！！わっかんねえな。俺だったら写真なんかタダで撮り放題なのに。」
「そういうことじゃないんだよたぶん。お金がどうこうとかじゃないでしょ。」
「そういうもんなのかなあ…。なんでこんなことになっちゃったんだろ。」
「てか、湧が彼氏になればいいじゃん。彼氏できるとだいぶ変わると思うけど。」
「いやそれが簡単に出来たらこんな苦労してねえって。」
ふと、昨日の唇の感触を思い出して自分の唇を触ってしまう。
ふわふわだったな、Aの唇。
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りるた.(プロフ) - 颯太くんが結婚式きてからの怒涛のお話が涙止まりませんでした。すごく感動しました、ありがとうございます！！！ (2020年12月6日 16時) (
レス) id: 8b02ed1f3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2020年10月2日 23時
