瑞稀くんの家 ページ48
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慌てて家を出て、駅まで走る。
瑞稀くんの家は予備校のすぐ近くで、つまりは私の大学ともバイト先とも近いわけで。
バイトのために更新した定期を使って改札を抜けて、最寄りに着いたらあそこのコンビニで食料を買って、あっちのドラッグストアで薬を買って、なんて計画を立てる。
電車に乗ってすぐ、お母さんに置き手紙してくるのを忘れたことに気づきメッセージを入れた。
"ひとり暮らしの友達が具合悪いみたいなのでお見舞いに行ってきます。晩ご飯一緒に食べれなくてごめんね。"
送信するとすぐに既読が着いて、了解のスタンプが送られてくる。
お母さんと今は帰りの電車の中かな。
さすがにその友達が男の子で、お母さんもよく知っている瑞稀くんだってことは言えなかった。
旅行の件とか色んなことが重なってとっくに家族には大昇と付き合っていることがバレているから。
"もうすぐ最寄りつくよ。薬どんなのがいい？"
"咳と熱に効くやつ。"
"了解ー！ご飯は？"
"食べてない。"
"わかった！！"
ドラッグストアに寄って風邪薬を買って、コンビニに寄って適当に飲み物と食べ物を調達して。
送られてきた住所のアパートに着くと、何故か緊張してしまう。
ただ看病しに来ただけなのに。
大昇以外の男の子の部屋入るの初めてだな、そう思いながらインターホンを押した。
「…入って。」
気だるげにドアを開けてくれた瑞稀くんにこの手の震えがバレていなければいいな、なんて。
「…お邪魔します。」
さすが浪人生とでもいうのか、余計なものは一切なくて、ベッドと勉強机と小さなテーブルが1つ置かれただけの部屋。
「ごめん、急に呼んで。はしもっちゃん連絡つかなくて。」
「ぜんぜん大丈夫、暇してたし。そんなとこだろうと思ってた、橋本くんがダメだったんだろうな〜って」
「…実家に連絡しづらくて。ごめんまじ。」
「もう謝らなくていいから、早く寝て。」
いつもの数倍もか弱い声で、うん、と頷くと素直に布団の中に潜り込んだ。
不覚にも、かわいい、と思ってしまっている自分がいて、病人相手に何を考えているんだと頭を振って邪念を振り払う。
「瑞稀くん、キッチン借りるよー？」
「ん、なんも無いけどあるものは勝手に使っていい。」
「はーい。」
コンビニで買ってきたゼリーやなんやらをお皿に移して、スポーツドリンクやら薬を飲む様の水やらをトレーに乗せた。
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ほの(プロフ) - もっちょんさん» お返事遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）ありがとうございます！またぼちぼち時間を見つけて更新しておりますので引き続き楽しんで頂けたらと思います(><) (2020年8月26日 14時) (
レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
もっちょん - めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃったので、是非続きが読みたいです、、、！>< (2020年6月29日 1時) (レス) id: b69e0a618c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2019年10月25日 17時
