再会 ページ39
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お昼すぎ、ランチタイムもすっかり終わってお茶を楽しむマダムたちと熱いコーヒーをすすりながら新聞を読むおじさんだけになった頃。
カランコロンといつもと同じ音がして、お客さんが入ってくる。
「いらっしゃいませー。」
元気よく振り返って、そのお客さんの顔を見た時時が止まったかと思った。
「…え。」
「あっ…。」
席へ案内しないといけないのに足がすくんで動かなくて。
ドアが開く音がしたのにお客さんが奥まで来ないのを不思議に思った奥さんがAちゃーんと奥からでてきた。
「あら、瑞稀くん。」
「…こんにちは。」
私から視線を外し、奥さんの方に向き直してぺこりと頭を下げた彼は数ヶ月前の変わらぬままで。
「そういえばAちゃんこの時間に入るの初めてだから初めましてかしら？こないだから新しく働いてもらってるAちゃんよ。」
私たちが初めましてだから気まずくなっていると思ったのか私を彼に紹介する奥さん。
違うんだけどな、お互い知ってるから気まずくてこうなってるんだけど、そう思いながら彼はこんなこと面倒くさくて、はじめましてって返してくるんだろうな、なんて答えよう、そう考えていた時。
「知ってます。幼なじみなんで。ね、A？」
「…え？」
思わず聞き返してしまった。
幼なじみだなんて彼に言われたことないし、名前を呼ばれたのもいつぶりだろう。
「あら、そうなの？」
呆然と立ち尽くす私の顔を覗き込む奥さんに心配かけてはいけないと彼に話を合わす。
「…そうなんですよ。びっくりしました、ここよく来るの？」
「あー、うん。Aの方こそここで働いてるなんて知らなかった。」
少し俯きがちに答える彼に違和感を覚えたけれど奥さんはお構い無しに話を進める。
「瑞稀くんは常連さんなのよ。いつもこの時間に来てくれてるの。今日もいつもの席空いてるからどうぞ。」
「ありがとうございます。」
そう言って奥さんに案内されて1番奥の2人がけのテーブル席に座る彼の背中をずっと見ていた。
だって変わってないんだもん。
脳裏に焼き付いて離れない、あの真っ赤なリュック。
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ほの(プロフ) - もっちょんさん» お返事遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）ありがとうございます！またぼちぼち時間を見つけて更新しておりますので引き続き楽しんで頂けたらと思います(><) (2020年8月26日 14時) (
レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
もっちょん - めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃったので、是非続きが読みたいです、、、！>< (2020年6月29日 1時) (レス) id: b69e0a618c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2019年10月25日 17時
