花束の約束 ページ30
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『たいしょー、これあげる。』
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小学校低学年くらいかな。
大昇はまだ小学校に入る前だったはず。
学校の校庭の隅に生えていた野花。
よく友達と摘んで小さな花束を作っていた。
野花はすぐ枯れてしまうから早く誰かにあげたいのに、うちは共働きだから家に誰もいなくて。
学校の帰りに花束を握ったまま近所の公園に向かってた。
いつでもそこに大昇がいるってわかってたから。
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『Aちゃんありがとう〜！！』
『どういたしまして。』
『Aちゃんはお花が良く似合うなあ。』
『そう？』
『うん！おとなになったら、僕がお花をあげるね！』
『じゃあ約束ね！』
『うん、指切りげんまん！』
『お花、あげるから、僕とけっこんしてね、僕のおよめさんになってね。』
『うん、いいよ。それも約束ね！指切りげんまん！』
『うん！』
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忘れていた記憶を呼び戻した瞬間、このネックレスの花にこめられた大昇の想いに全て気づいてしまって。
私はずっと忘れていたのに。
彼はずっと覚えてたんだ。
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「ねえ、大昇。」
「んー？」
カチャカチャとなれない手つきでネックレスをつける彼の声が耳元で聴こえる。
「わたしも好きだよ。」
「…えっ」
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「好きだから、彼女になってあげるよ。」
「えっ、いいの？」
「うん、答え方分からなかっただけだから。好きならすぐそう言えばいいだけなのにねー。」
約束はちゃんと守る女でいたいから。
大昇のこと好きだもん。小さい頃からずっと。
家族への好きみたいな感情だけど、それって同じだよね？
恋愛の好きと同じ感情だよね？
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ほの(プロフ) - もっちょんさん» お返事遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）ありがとうございます！またぼちぼち時間を見つけて更新しておりますので引き続き楽しんで頂けたらと思います(><) (2020年8月26日 14時) (
レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
もっちょん - めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃったので、是非続きが読みたいです、、、！>< (2020年6月29日 1時) (レス) id: b69e0a618c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2019年10月25日 17時
