忘れてた ページ29
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「…大昇。そっか。」
「そっかってなに？笑
どういう反応って捉えたらいいそれは？」
眉を下げて無理やりな笑みを浮かべながら言う大昇に、なんと返したらいいかわからなくて。
私の中で、じゃあ付き合おうとか、私も好きだよ、なんて返す選択肢はない。
私は好きじゃない、だから付き合えないってそう返したらいいだけなのに、長年一緒にいたせいかな。
目の前で目を潤ませながら俯いている彼を見ていたら、かすかに震えている彼の手を見ていたら、そんな直球な言葉を返すことはできなくて。
「いや、なんて答えたらいいかわからなくて。告白なんてされたことないや…。」
「…答え方がわからないってことはダメなんだ。うん、そうだよね。Aちゃんが俺のこと好きなわけないもんね。」
1人で喋って1人で終わらせようとしてる彼にかける言葉が見つからない。
だってその通りだから。
「…わかってた、わかってたけど。これだけ受け取って欲しい。もう買っちゃったし。」
そう言って彼はカバンの中から小さな箱を取り出した。
箱には私の好きなブランド名が刻まれている。
「…え？」
「これは、結果がどうでも渡すつもりだったから、うん。最後の入学祝いだと思ってもらって。」
「でも、もうこんだけたくさん貰ったよ？」
「いいから、俺とAちゃんの仲じゃん。開けてみて。」
無理やり手に握らされた箱。
そんなに言うならと思い恐る恐る開ける。
「…かわいい。」
素直にそう思った。
シンプルだけど可愛らしいデザイン。
お花のモチーフになったネックレス。
「ね！可愛いでしょ！？これ買うの勇気いったんだから！大切にしてよねえ！」
すっかりいつも通りのテンションに戻ったように見える大昇は箱の中からスっとネックレスを奪った。
「付けてあげるよ、向こうむいて。」
「…うん、ありがとう。」
言われるがままに反対側を向くと、首元に大昇の大きな手が回ってきて。
「Aちゃんはやっぱりお花が似合うなあ。」
「…え？」
「Aちゃん小さい頃から、お花好きだったじゃん。いつも俺に花束作って持ってきてくれて〜。」
「そうだっけ？」
うまく思い出せなくて、記憶のパーツを頭の中で探し回る。
忘れていた大事な思い出がふと目の前にあらわれた。
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ほの(プロフ) - もっちょんさん» お返事遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）ありがとうございます！またぼちぼち時間を見つけて更新しておりますので引き続き楽しんで頂けたらと思います(><) (2020年8月26日 14時) (
レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
もっちょん - めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃったので、是非続きが読みたいです、、、！>< (2020年6月29日 1時) (レス) id: b69e0a618c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2019年10月25日 17時
