黄色い毒 ページ3
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「ふふっ」
何やらスマホの画面を見ながらニヤニヤしている大昇を横目に花瓶に水を入れる。
ツーショットの他に、1人の写真も撮ろうよって散々大昇にくるくるさせられ、カメラマンのように写真を撮られて恥ずかしくてずっと花束に顔を埋めていた。
すっかり花の香りが染み付いた制服を脱いで部屋着に着替え、リビングに戻るとソファでニヤニヤしてる大昇を見つけた。
そんな彼がくれた花束のリボンを解いて花瓶に挿す。
「もう大昇！なにニヤニヤしてんの！？」
「Aちゃんが可愛すぎるからいけないの！やっぱり黄色のお花で正解だった！」
「そういえばっ。なんで黄色なの？私そんな元気なイメージないと思うけど。」
言われてみれば黄色い花束なんてピアノの発表会でももらったことがなかった。いつも無難なピンクや水色の花束ばかりで。
しかも今は春。
それこそ春らしい色が人気なはずなのに。
「んー、俺的にAちゃんは黄色だったから！あとは俺が好きな色だから？笑」
特に何も考えてなさそうに言う彼の隣に座りながらほんと馬鹿だなーとぼんやり思う。
「大昇の好きな色じゃなくて私の好きな色選んでよー。」
「えー、Aちゃんの好きな色知らないもん。持ち物全部色バラバラじゃん。」
「そうだけどさ…」
「じゃあ何色が好きなの？」
スマホから目を離して私の目を見ながら言う大昇の顔を見ながら頭に浮かんだのは、
赤い花束を片手に持った彼の後ろ姿。
いつもグラウンドを駆け回る赤いユニフォーム。
そして6年間ずっと見続けた赤いリュック。
「…赤。私は赤が好き。」
「え、意外。赤のもの全然持ってないじゃん。」
だって私が赤を持つと彼の赤が消えてしまうから。
「好きだからって選ぶとは限らないでしょ。」
そう言いながら夕飯の準備をしようと立ち上がる。
「じゃあ、好きじゃない色を選ぶこともあるの？」
そう聞く大昇に
「そうしないといけない時もあるじゃん。」
そう答えた。
ダイニングテーブルの真ん中に置かれた真っ黄色な花束の中には2輪だけ真っ黄色なバラが混ざっていた。
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ほの(プロフ) - もっちょんさん» お返事遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）ありがとうございます！またぼちぼち時間を見つけて更新しておりますので引き続き楽しんで頂けたらと思います(><) (2020年8月26日 14時) (
レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
もっちょん - めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃったので、是非続きが読みたいです、、、！>< (2020年6月29日 1時) (レス) id: b69e0a618c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2019年10月25日 17時
