対異常犯罪遊撃部隊、アニマーリア！ (ページ4)

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子供に少しくらいの施しを＿花梨ページ4

「ふわぁぁ……暇ですよ～。ねぇ、囚人さん？」

そう問いかけると隣の牢屋の囚人は身体をこわばらせ私から取れる限りの距離をとる。

「そんなに逃げなくても……いい大人が情けないですね～。ね、ね、私と遊びません？」

そう言うと、違うほうを向かれてしまった。

むぅ…そこまで嫌がらなくても。

「もう何なんですかここは！寒いし暇だし暇だし暇だし！」

私、栗栖ゆらは……最っ高に暇である。
14歳。まだ14歳なのに牢獄に入れられている。

自分がやったことが原因なのは分かっているのだが…
やっていなかったら私が死んでいたのだ。しょうがないと思う。

未成年なんだから、もうちょっと施しをくれたっていいと思うんですけど…

「栗栖ゆら。おい、聞こえていないのか、おい！」

「あら……存在感薄すぎて気が付きませんでしたー。何の用ですか？」

そういうと看守の顔に怒りマークが浮かんだ気がするが、放っておこう。

「で、何の用ですか？」

もう一度そう尋ねると、看守は私につけてあった拘束具をすべて外した。
ん？外した？

「え、頭狂ったんですか？大丈夫ですか？今なら私じっとしてるんでつけなおしてもいいですよ？」

その言葉に看守はまた怒りマークを増やした。そんなに怒らなくても…

「栗栖ゆら。政府の狗になれ。」

「は…？」

この人やっぱり頭のねじ飛んでるんじゃ……
そう考える私を無視して看守は続ける。

「お前には、アニマーリアという組織に入ってもらう。」

聞けば、異常犯罪減少を図るため、目には目を…みたいな感じで犯罪者を使うとかなんとか。

「私が暴れたらどうするつもりなんですか？」
「お前にはこれをつけてもらう。暴れなんかしたら首が飛ぶ。気をつけろ。」

黒い首輪を取り出し看守はもう一度聞いてきた。

「どうする？入って仕事をしながら自由に暮らすか、このまま死刑を待つか、だ。」

笑いがこみあげてくる。
犯罪者を使う、なんて。物騒な世の中になったものだ。

「あははっ…いいですよ。入ってあげます。そのかわり、私の荷物全部返してくださいね。使い慣れた武器で暴れるのが一番だと思いません？」

そう言ってにっこり微笑んだ。

看守が首輪をつけようと手を伸ばしてくる。
私は政府の狗となる。普通の女の子なんてもう絶対なれないな、なんて考えながら。