坂道病院 小児科！

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Aside

誰かの咳で目が覚めた。
一番最初に思い当たるのは菜緒。
そっとベットを抜け出して、菜緒の様子をカーテンの隙間から伺うと気持ちよさそうに寝ているから違うみたい。
じゃあ、と菜緒の向かいの天の方を見てみるとこちらも酸素カニューレをつけられているものの違うみたい。

だとしたら残るのはあと一人。
案の定理佐は胸を抑えて、必死に咳を押さえ込もうとしていた。

並木「理佐、ごめん。ナースコール押すよ？」

子供の私が見ても分かるくらい状態がやばそうな理佐。
私がナースコールを押すのと、ナースステーションに設置されたモニターの異変を見て友香先生と史帆ちゃんが走ってくるのは同時だった。

菅井「Aちゃん、見ててくれたんだね。ありがとう。」
加藤「ちょっと危ないかもしれないから自分のベットに戻ってようか。」

あまりに理佐の状態は切羽詰まっているのか。
いつもとは違い、病室で処置が始まった。
ひかるちゃんや紗理菜ちゃんも来てすこし騒がしくなる。




並木「え…。｣

ふと鼻に違和感を覚えて触ると、その手に血がついた。
タイミングが悪すぎる……。

看護師さんを呼ぶべきか。いや、理佐の処置でバタついてるし…。
なんて考えているうちにティッシュが底を尽きて、
結局看護師さんを呼ぶ羽目に。

菅井「ん、ナースコール押してるの誰？」
森田「あ、Aちゃんです。Aちゃん、今行くね！」

ひかるちゃんの声が聞こえたと思ったら、すぐにカーテンが開いた。

森田「あ、鼻血か！ティッシュとってくるね！」

森田「お待たせ！１回鼻抑えてる手放してもらっていい？」
並木「あ、ううん。私は大丈夫だから理佐の方行って！理佐、助けて…。お願い。」
森田「…………わかった。血を止めるために鼻の頭を抑えててね。」

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