11 ページ17
土生side
5日前からAの抗がん剤治療が始まった。
いつもより副作用が強く出てしまい、易感染性が高くなってしまったために緊急で無菌室へと移動となった。
ただでさえ、吐き気や頭痛が酷い上に予定外にひとりぼっちになってしまった。
できるだけ看護師さんや私も無菌室に訪れるようにはしているが、明らかにAの精神状態は限界へと近づいている。
それは医局でカルテ整理をしている時だった。
高山「土生先生、Aちゃんの脈早くないですか？」
土生「ほんとですね。ちょっと見に行ってみるか。」
土生「A、おじゃましまーす。あぁぁ辛くなっちゃったね。」
部屋に入ると直ぐにAが泣いているのが目に入った。
土生「辛いね。おいでー。……って、え…？」
私が広げた腕に飛び込もうと腕を伸ばしたA。
その右腕は真っ赤になっていた。
土生「腕どうした？ぶつけた？」
しかしAはパニックになっているのか、泣くばかりで返答がない。
とにかく泣き止ませなければ。
右腕に触らないように抱き上げる。そのまま背中をさすっていると少しずつ落ち着いてきたようだ。
土生「落ち着いてきたね。苦しくない？」
並木「うん……。」
あとから聞いた話だが、Aはいっぱいいっぱいになってどうしようもなく自分で右腕を何回もつねってしまったらしい。
ガラス越しだが特別に理佐や菜緒、天と面会すると少し精神状態も安定し、それから5日後に302号室に戻ることができた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?(プロフ) - 別小説でお願いしたいです！ありがとうございます🫶🏻 (7月16日 19時) (
レス) id: 69423b4bc7 (このIDを非表示/違反報告)
ドクターさく(プロフ) - ?さん» 了解です！ (7月16日 19時) (レス) id: eb4732aa93 (このIDを非表示/違反報告)
ドクターさく(プロフ) - ?さん» 別小説ってことで大丈夫ですよね？了解しました！ (7月16日 19時) (レス) id: eb4732aa93 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 飛鳥ちゃんと夢主は1期生という設定でお願いします! 飛鳥ちゃんと夢主は2人暮らしをしていて、あるとき夢主が乃木坂を卒業するということを飛鳥ちゃんに告げると、夢主から離れたくない、卒業しないでと飛鳥ちゃんが大号泣のところを、夢主が励ます話を見たいです！ (7月16日 19時) (レス) id: 69423b4bc7 (このIDを非表示/違反報告)
ドクターさく(プロフ) - 青マリさん» リクエストありがとうございます！ (7月15日 19時) (レス) id: eb4732aa93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドクターさく | 作成日時：2022年9月26日 2時
