あなたと作る物語（仮題）

迷おう。それが始まりだから。 ページ4

1歩踏み出したあの日から早くも2ヶ月。
私は三次審査の会場にいた。

夢の舞台まであともう少し。
まだ合格が決まったわけじゃないのに、
胸のドキドキは止まることを知らなかった。

「エントリーナンバー46番。長野県出身。
白石Aです！今日は特技を披露します！」

周りには可愛い子ばかり。特技だってほんのちょっと上手くできるくらいで、突出したものは無い。
だからわたしにできることは一生懸命やること。
とにかく笑顔を絶やさないこと。



「これより最終審査に進む40名を発表します。
名前を呼ばれた方はスタッフより明日の入場券を貰ってください。」

書面できていたこれまでと違って、他の子達の反応がよく見える。通過した子の安心したような笑顔、番号が飛んだことにより落ちたのが決まった子の悔しそうな泣き顔。
改めて壮絶なサバイバルということを認識させられた。

「42番、吉田莉緒」
「45番、舛木 ももか」

いよいよだ。次に46番が呼ばれなかったら私の挑戦はここで終わり。






「46番、白石A」


1番にやってきたのはやはり安堵だった。


スタッフ「明日13時より最終審査です。」
「ありがとうございます！」

名刺程の最終審査の入場券。

とても輝いて見えた。

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