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土生side
院内学級も終わった頃合いだしと午後の回診に302号室に行くと、そこにはAの姿はなかった。
でも律儀に「301号室にいます。」と置き手紙がある。
ちょうど暇だしと思って301号室を訪れることにした。
301号室に入って1番に目に入ったのは青ざめているA。
しかしそれは体調が悪いのではなく、焦っているという風で。
すぐ横を見て瞬時に状況を理解した。
土生「瞳月ちゃん、大丈夫だよー。いま楽になるからね。」
瞳月ちゃんの体を抱き上げ、素早く瞳月ちゃんのベッドに運ぶ。小さな手にパルスオキシメーターをつけると表示されるのは88%という数字。だいぶ低い…。
ヘッドボードにかかっている酸素マスクを手早く瞳月ちゃんにつけ、酸素ボンベを開く。ナースコールをして必要な点滴の名前を言うとすぐに持っていきますという潮さんの声が返ってきた。
そこまでしてからAの方に振り向くと、なんとも言えない顔をして泣いていた。
土生「A、お待たせ。怖かったね。」
並木「瞳月ちゃんが…瞳月ちゃん…。」
土生「うんうん、もう瞳月ちゃん大丈夫だからね。泣いたら今度はAが苦しくなっちゃう。」
これはここから離れた方がいいと、潮さんが来たのと引き換えに私はAを抱き上げて301号室を後にした。
空き部屋となっている306号室でしばらくAの背中を摩っていると落ち着いてきたようだった。
土生「落ち着いた?びっくりしたね。」
並木「私がちゃんと見てなかったから……。」
土生「違うよ。瞳月ちゃんの病気は突然発作が起きてすぐに状態が悪くなっちゃうの。私たちにも予測できないくらい。だからAのせいじゃないよ。しかもA、ナースコールをしようと手を伸ばしてたでしょ?だからAは偉いんだぞー?笑」
偉い偉いと頭を撫でるとAが恥ずかしそうに笑った。
並木「あ、そういえば美青ちゃんどこいった?」
土生「へ?」
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パピコ(プロフ) - 夢主が泣きながら辛い治療や検査を受ける話が見たいです!いつも楽しみにしてます! (2月28日 18時) (レス) id: 76baafea34 (このIDを非表示/違反報告)
ドクターさく(プロフ) - あやさん» リクエストありがとうございます (2月4日 19時) (レス) id: eb4732aa93 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 自傷行為をしてしまい先生たちに慌てて止めてもらい慰められる感じのお話読みたいです! (2月4日 0時) (レス) id: e21041e83c (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 夢主が検査で前よりも悪化していて一時的に先生たちのお家に帰れるはずだったのに結果が悪く、今まですごい頑張って治療をしていたためいっぱいいっぱいになってしまい、病室のものなど投げたりして暴れてしまい、どんどん息が荒くなっていってしまい、意識が朦朧の中 (2月4日 0時) (レス) id: e21041e83c (このIDを非表示/違反報告)
ドクターさく(プロフ) - こたさん» リクエストありがとうございます!頑張ります!笑 (1月14日 0時) (レス) id: eb4732aa93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドクターさく | 作成日時:2023年7月16日 19時