優しい世界［5］ (ページ46)

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Juri side

帰り際、マネージャーからの連絡で、＂腰椎椎間板ヘルニア＂と診断された、と報告があった。

基本的には数ヶ月で症状は軽くなる、と言われているらしい。
根治的な治療というよりは、安静を心掛けることと、症状の緩和を目的に注射と内服で様子を見ていくそう。

ツアー開始までは1ヶ月強。
そこに間に合うかどうかは今の段階では何とも…とのことで。

それを聞いたスタッフたちからの「どうするか、」という俺らに判断を仰ぐ問いかけ。

一瞬戸惑って、メンバーの表情を窺えば、
グッと下唇を噛む北斗に、
目を泳がせる慎太郎、
床を見つめるこーち。

そしてきょもと目が合うと、俺にうん、とひとつ頷いて、
「ジェシーと一度話して、それから考えさせてください。少しだけ時間ください」
とひとこと。

最適解だと思った。
やっぱりきょもには敵わない。

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Jesse side

病院で打ってもらった注射で幾分か痛さも軽くなって、ゆっくりなら歩ける程度に。

今日リハ以外の仕事が入ってなかったことは救いだった。

マネージャーに家まで送ってもらって、そーっとそーっとソファーに腰掛けた。

ちょうど大我から着信が入った。

出るとテレビ電話で、画面には5人の顔。

みんなが一斉に「大丈夫？」って困り眉で聞いてくるから少し笑っちゃって。でも途端にこんな状況なのにって申し訳なさに襲われた。

別にジェシーが謝るべきことじゃ無いでしょって慎太郎の真っ直ぐな声が嬉しかった。

会話の中で痛みはだいぶ楽になったことを伝えればメンバーの表情は和らいで。

みんなの仕事後に集まって話そう、と。
終わり次第うちに来るらしい。

了解、と答えてそれぞれの仕事へとバラけていくメンバーを見送った。