優しい世界［5］ (ページ14)

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虚弱体質(2) / 桃ページ14

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こちらは、ひとつ前のお話『虚弱体質 / 桃』の続きのお話になります。
そちらを読んでから、お読みいただけたら幸いです(^^)

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Yugo side

「すみませんお先失礼します。
明日もご迷惑かけます…」

全速力で仕事を片付けて足早に退社。
駅までの道を小走りで進みながらスマホを手に取る。(ながらスマホは良くないよね、分かってる…)

「あ、もしもし、お袋？
今会社あがった。大我、調子どう？」

15時ごろ学校から早退の連絡が入って、急遽早上がりしてお迎えに行ったのが昨日。
外せない仕事の案件があって、今日は母親にヘルプに来てもらっていた。

＂今は眠ってるわ。お熱も下がりそうにないかな、＂

そうだろうと考えて、明日は有給を使うことにしていた。
一度熱を出してしまうと数日引きずるのが恒例になっている。

スーパーで食材を買って帰宅した。

「ごめん、1日助かったわ…
いつもありがとう」

仕事が休めずお袋に子守を頼む、というのもまた、我が家の恒例。
そこそこ近所に住んでいて、元気で居てくれているから頼めること。

大我の部屋を覗くと、まだあどけない愛おしい寝顔。
顔にかかっていた前髪を優しくかき分けた。

「…っんん、」
「…あ、ごめんな、起こしちゃったな、」

僅かな刺激に目を覚ましてしまった。

「っ、とぉちゃん、」
「大我、ただいま」

とろん、とした目で見つめてくる。
頭を撫でてやりつつ、少し乾燥した冷えピタを剥がしておでこを触ると、やっぱり温かくて。

「しんどいなぁ、大我。
おうどん作ろうと思うんだけど、食べられそうか？」

「…ちょびっとなら、」

「ん、分かった。
出来たら持ってくるから、待っててな？
その前に新しい冷えピタ貼ろうか」

冷蔵庫から新しいのを取ってきておでこに貼ってやる。

「んっ、きもちっ」
気持ちのいいひんやりさに表情を緩めた大我。

「ゆっくりしとけよ。」
タオルケットを掛け直してやって、頭をひと撫でして部屋を出た。