優しい世界［3］ (ページ4)

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Hokuto side

リハが終わった頃には誤魔化し切れない程の痛みに変わっていた。

耐えかねてジェシーを筆頭に戻った楽屋で心配されて、返事をするのも億劫になっていたところで、京本が救世主となってくれた。

頭痛とも言っていないのに、察してくれて、目元を暖められるアイマスクをくれたり、電気を消してくれたり。

他のメンバーの温かさもあって、少しはマシになった気がする。

使用時間が終わって冷めてきたから、マスクを外した。

「どう？北斗。」

それに気づいたこーちが真っ先に声をかけてきた。

「うん、さっきよりは。ほんとごめん、」

「謝ることじゃねぇよ。まだまだ出番まで長いし、寝ちゃっても良いと思うよ。きついっしょ？」

樹の言葉に甘えて、一旦眠りについた。
空き時間が長いのも、大型の番組の特徴だ。

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良き時間に起こしてもらって、そして、出番を終えた。

正直少し寝たところで完全に症状がおさまる事はなかった。

少々無理して平気なフリをして、パフォーマンスは気合を入れていつも以上の力を込めた。つもり。

ダンス曲だったこともあって、頭も振り回したし、カメラの前ではアドレナリンが出ていて平気だった分、はけた瞬間、さっきの何倍もの痛みが襲ってきて、それと同時に吐き気まで催した。

舞台裏と言えど、人がたっくさんいる。

こんなところで吐ける訳がない。咄嗟にトイレにダッシュした。

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