優しい世界［3］ (ページ16)

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Juri side

「慎太郎くん、平気っすか？」

電話してる隣にいたジェシーに聞かれる。

以前、ジェシーを家に招いたことがあって、その時家にいた慎太郎ともあっという間に打ち解けていた。

歳も近いしな。

それから俺抜きでも連絡を取り合って仲良くやってるらしい。

「いや、ちょっと体調崩したっぽくて、普段風邪なんかひかないやつだから…早く帰ってやらなきゃ。
あ、でも色々買い物もしなきゃだな…」

なんて、ジェシーの質問の返答から、気がつくと俺の独り言へと移り変わっていた。

けれど、それを聞いたジェシーは

「僕も一緒に行きましょうか？
大変でしょ？いろいろ。心配だし僕も」

そんな風に言ってくれた。

正直助かる、というのが本音だった。

冷静に考えてみれば、
料理の出来ない俺がお粥なんて作ってやれるはずもないし、スーパーで必要なものを買うにしても商品選びを店員さんに助けて貰わなければならないから時間がかかる。

帰ったところで慎太郎の様子をちゃんと見てあげられることも出来ないし。

大学生相手に心配しすぎって言われたらそれまでだけど、それを抜きにしたって俺にできることは限られすぎていた。

「…ごめん、ジェシーお願いしても良い？」

今日は金曜日、明日は休日だったしジェシーの優しさに甘えることにした。

「もちろんっすよ。じゃあ急ぎましょ」

再び俺の手を取って歩き始めた。

「今度なんか奢るからさ」

「Aha!!やった！
って樹くんいつも奢ってくれるじゃないですか」

そんな会話をしながら家路を急いだ。

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好評頂いていたお話「弱視 / 青」の続編というか、兄弟の日常その2、というか。

続編とのリクエスト頂いていたので書いていこうと思います。

privatterでもちょいちょいお話の更新を始めたので、宜しければご覧ください(^^)
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