優しい世界［3］ (ページ15)

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弱視(2) / 青ページ15

『優しい世界』第一弾の「弱視」と同じ世界線でお話は進みます。
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/jinbe_

兄弟設定

弱視を抱える社会人の兄樹
大学在学中の弟慎太郎
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Juri side

仕事終わり、会社から駅までの道のりを仲の良い後輩のジェシーと歩いていた。

いつものように腕を借りながら。

途中で俺のスマホが鳴り出して、まぁ2人で会話中だったから聞こえないふりをしていたんだけど、なかなか鳴り止まなくて、

「出てくださいよ」

ジェシーからそう言ってくれた。

ながらスマホなんか出来ない俺の為に道端に寄って立ち止まってくれたから、スマホを鞄から取り出して画面に目を凝らすと、着信は慎太郎からだった。

どうしたのだろう。今日は帰りが早いから家で夕飯作っとくって言ってたけど。

「もしもーし、慎太郎？」

＂…あ、じゅり？…今日、外で飯食ってきて？…ｺﾎｯ…＂

慎太郎の声にいつもの活気は無かった。

「慎太郎？どしたの？」

＂…や、ちょっと風邪、ひいちゃったみたいで、、
ご飯作れそうにないから、ｺﾎｯｺﾎｯ…＂

「俺の飯なんてなんでも良いんだよ、熱は？ご飯は食った？」

＂熱、測ってない、、。わざわざ知りたくないし、
食べる気も起きなくてさ、＂

「ダメだよ慎太郎。すぐ帰るから、暖かくしとけよ？」

＂いやっホント平気だから、！＂

「いーから、寝とけ。兄ちゃんからの命令」

少し強めに言うと大人しく、ごめん、と言ってきた。

「謝ることじゃねーよ。とにかく、体冷やさずに居てな？」

念を押して、電話を切った。