優しい世界［3］ (ページ11)

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Taiga side

MCでは強がってみたけど、正直右足の痛みは時間を増すごとに酷くなっていた。

後半戦がダンス曲というよりはトロッコで外周したり、バラード系が多くて助かった。

そうじゃ無かったらきっと途中で崩れ落ちてただろうな、と思う。

メンバーが気にしてくれてるのもひしひし伝わってくるし、お客さんに悟られないようにステージを歩く時だって無理やり右足にも体重をかけて、その度に痛みに耐えて、歌も乱さないようにして。

普段のライブの何倍も体力を使った。

最後の曲の披露を終えて、ステージを後にした。

裏にはけた瞬間、気が抜けて座り込んでしまった。

「…っ…はぁはぁっ…んっ…ぃたいっ…」

「きょも！」「大我！」「京本！」

皆の俺を呼ぶ声がした。

「一旦椅子に座ろ。立てる？」

慎太郎にほぼ抱える形で立たされて、俺の着替えスペースにある椅子に座った。

「っ…はぁはぁっ…アンコールっ…行かないと、、」

ファンの子達が俺らを呼んでる声が響いている。

「無理だよ。京本、そんなんじゃ。お前が壊れちゃう」

「っ！きょも、足首腫れてるよ。痛いでしょ…」

北斗や樹の冷静な意見。

「…っ…ダメ！…平気だからっ…行かないと、…頼むっ…」

「…うん、わかった。アンコ出よう。それでいいよね？大我。頑張れる？」

高地の問いかけに頷いた。

「よっしゃ、じゃあ着替えるよ！」

各々自分のスペースにばらけて、Tシャツに着替えた。

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