優しい世界 (ページ5)

今日:68 hit、昨日:54 hit、合計:390,493 hit

貧血 / 黒ページ5

リアル設定
_____________________________________
Hokuto side

～♪～

「…んんっ…」

スマホのアラームが鳴って目を覚ます。

まだ頭もよく働いていないうちにいつものように体を起き上がらせると、

ﾌﾗｯ

「…っ…やっべ…」

フラッとしてベッドに逆戻り。

血の気が引いた感覚がした。
一度深呼吸をして、今度はゆっくりと起き上がる。

それでもやはり頭はクラクラしている。

「…貧血か、」

最近はありがたいことにデビュー前にも関わらず、
いろんな仕事をさせてもらっていて、バタバタとしていた。

疲れが溜まっているのも事実で、体には誤魔化しが効かなかったらしい。

それでも今は大事なときだ。
仕事に穴を開けるようなことは絶対にしたくない。

今日はもう少しで始まるツアーに向けたダンスリハ。

リハ初日ということもあるし、出遅れるわけにはいかない。

とにかく出来る限り体に負荷を掛けないように最小限の動きで準備を始めた。

「タクシー、使おうかな…」

Jr.である俺たちの移動は個人で。

普段は電車だけど、今日はしんどいと思い、
タクシーを呼ぶことに。

結局朝ごはんも食べる気になれず、洗顔や歯磨きを済ませて着替えをして、リハ着もバッグに詰めて、タクシーが来る時間までソファーに体を預けた。

.