優しい世界 (ページ35)

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Juri side

「樹くんいいお知らせだよ」

「えーっ何すか先生」

リハビリ終わり、部屋に帰ろうとしたところを呼び止められた。

「もう樹くんはここ卒業。
退院日決めようか」

「…え！まじで、！」

「うん、マジ。笑」

「…やっとか、、仕事終わりに兄貴くると思うから、それから相談してもいい？」

「もちろん」

事故から半年。やっと退院が決まった。

兄貴の仕事が休みな1週間後を退院日に決めて、あっという間にその日はやってきた。

「お世話になりました、」

「ここまでよく頑張りました。
決して無理はしないようにね。何かあればいつでも来てください」

お世話になった先生や看護師さんにエントランスで挨拶をして、優しく見送ってくれた。

兄貴と一緒に駐車場へと向かうと、車イススペースに車を止めてくれていて。

自分で助手席に乗り込むことが出来た。

「ごめん、ありがと」

後部座席に車イスを積んで、後から乗ってきた兄貴にお礼を言うと、

「謝ることじゃねーよ。んじゃ車出すぞ」

なんて言ってくれた。

この病院に来る前とは状況が全く変わってしまったけど、
新しい自分で、新しい家に。

不安だってたくさんあるけれど、なんとかなる気がしている

これから新しい人生が始まるんだ。

end_

じんべえです。お読みいただきありがとうございます(^^)

少し長くなりましたが、樹くん×脊髄損傷のお話でした。

いくつか他のお話を挟んでから、その後の生活、という形でリクエストいただいていた脊損樹くんの暮らしを更新予定です！

今後ともよろしくお願いします。