優しい世界 (ページ15)

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Taiga side

「平気だってジェシー」

そう言って振り払おうとしたけれど、ジェシーの力には及ばない。

諦めて、一度落ち着いてみると、一気に胸の苦しさに襲われて、

「…ぅっ…ハァハァッ…」

上手く呼吸ができなくなった。

ジェシーに抱きしめられたままだった俺はそのまま一度ジェシーに座らされて。

「大我っ大我！、ゆーっくり呼吸しよ」

「きょも！」

なんていろんなとこからメンバーの焦った声が聞こえた。

「…ハァハァッ…ハァハァッ、、ジェ、シーっ」

「大我、大丈夫。大丈夫。」

胸の辺りをさすりながら声をかけてくれる。

「京本！これ、薬飲んで！」

北斗が俺のいつも持ち歩いてるポーチから発作が出た時のための薬を出してきてくれて、差し出されたままに飲み込んだ。

すぐに苦しさが引くわけでもなく、上手に呼吸ができないままにいると、

「マネージャーに車つけてもらってるから、すぐ病院行こう！」

いつのまにか居なくなっていた高地がスタジオに戻ってきてそう叫んだ。

もう俺は苦しくて、息を吸うのに必死で、目を瞑ってしまっていた。

「大我動くよ」

ジェシーの優しい声がして、体はふわっと浮いて、ジェシーの体に包まれる。

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