優しい世界 (ページ1)

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後遺症 / 青ページ1

リアル設定

事故の後遺症で足に障害を抱える樹
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Juri side

「じゅり、クラッチ持っていきなよ。疲れ溜まってんでしょ？」

ホテルの部屋から出ようとすると、背後から同室の北斗の声。

今は京都に滞在していて、昨日ライブを終えた所。
今日はこれからYouTubeのドライブ企画の撮影が入っている。

俺は3年前に遭った交通事故が原因で右脚に障害が残った。

リハビリのおかげもあって、
多少の不自然さは残るけど、歩けるようになったし、
今ではダンスも少しずつ出来る様になってきた。

まぁそれでも脚の調子は日によってまちまちで、
ライブの後や脚を酷使して疲労が溜まっている時は
特に動きが悪くなったりして。
そんな時はクラッチに頼ることもある。

「…ん？別に無くて平気だよ」

だけど、クラッチをあまり使いたくないのが俺の本音。
…だってダサいでしょ、？

強がりだからそう思っちゃうんだよ。

「どうせカメラ回ってる時は使わないんだから、せめて休めるとこ休ませとかないと。大事にしよ？」

そんな俺のことを理解して、こうやって制御してくれるのは周りのメンバーだったりする。

実際脚の調子も悪かったし、素直に北斗の言うことを聞いて、クラッチを片手に部屋を出た。

ｶﾁｯｶﾁｯとクラッチの音を響かせながら、人より遅い俺の歩幅に合わせて歩いてくれる北斗と共に、駐車場に向かうと既に4人は揃っていた。

「おはよー！」

なんて朝から元気な慎太郎。

俺がクラッチを持っていてもいなくても、こいつらの態度は変わらない。

そんな些細なとこにいつも救われてる。