17. 初日 ページ17
教室を探す為少し早めに家を出たおかげで遅刻することはなかったが、空いていた席に適当に座ると同時に先生が教室に入って来た。
「おはようー、連絡事項があるから席に着け〜」
そう言いながら入って来たのは昨日ここに連れてきた先生だった。そういえば担任だって言ってたか?…と考えているといきなり
「智?」
という声が聞こえた。
「はい?」
「自己紹介して」
「あっはい、えっと石井智です…」
他に何を言えばいいのか分からなくなりちらりと先生に目をやる
「属性と武器」
「あっ属性は水で武器は双剣です。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げる。
「まぁみんなと1日違うだけだが色々教えてやってくれ。じゃ授業に入ろうか」
初めての授業は属性についてだった。
「属性は水、火、雷、木、土・金属、光、闇の7種類で、1人1つ属性を持っている。たまに個性異能という特殊な異能を持っている奴がいる。そいつだけは例外でさっき言った7種類の属性と個性異能二つ持ってる。……」
生まれて初めて知ることだらけで思ったより楽しい授業になった。
授業が終わると同時に近くにいた同級生に話かけられる。
「俺岡田准一。なんで1日遅れたの?」
と聞いてきた。周りにいた子達も聞き耳をたてているのを感じたが、なんとなく理由を説明するのが面倒で
「色々あってさ…」
と笑って言って笑うと
「ふーんまぁいいや。よろしくな」
聞き耳をたてていた子達から残念そうな空気を感じたが岡田君はそんな素振りを見せることなく接してくれた。
その後も魔物は人の憎しみや嫉みといった負の感情から生まれるとか、地震などの自然災害も魔物が起こしている場合があるとか基本的な授業が続いた。
5時間の授業が終わると3時過ぎ、この後はみんな思い思いに過ごすらしい。部活みたいなのもあるらしく岡田君に誘われたが僕は断って敷地内を散歩することにした。
まず僕は寮の裏に広がる森へと入っていった。そんなに深い森ではないらしく寮の建物がぎりぎり見えるくらいのところまで行くと何かにぶつかった。
柔らかくて弾力があって手で押すとぽよんとした感触で、叩こうが蹴ろうがそれ以上先に行くことは出来なかった。…これが結界?と思いながらも
僕はその先に行くことを諦めその何かに沿ってこの敷地内をぐるっと回ってみることに決めた。
ゆっくり森を歩いて行くと駅に辿り着いた。駅も通り過ぎて歩いていくと大きな古い屋敷を見つけた。
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作者名:紀衣 | 作成日時:2021年1月11日 21時