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雅side
翔「それでも良かったんだけど森の中だし暗いから周りの木が燃えると困るなって思って」
5人で玄関を出て寮まで歩き始めた。大体寮までは10分ぐらい。翔ちゃんが出した火のお陰で足元は明るい。
和「明日どうする?朝からする?」
翔「あーどうしよっか、でも朝早いのは辛いよね」
潤「じゃ10時ぐらいにあの家集合は?」
雅「おっけー大丈夫!」
智「分かった」
夜道でゆっくり歩いていたので15分程で寮に到着した。
雅「着いたー!」
翔「ごめん、智くんこれ消してもらって良い?」
翔ちゃんは指先に出していた炎を仕舞うとリーダーの方に和が持っていた松明を差し出した。自分の手で出した炎は消せるが一度自分の手を離れたら、それを操ることはできても消すことは出来ないからね。
智「うん」
智は水で松明を包み込んで火を消した。
やっぱり年上2人は頼りになるよね!
翔「ありがとうーおやすみ」
和「おやすみなさい」
それぞれがそれぞれの部屋に戻ってその日は終わった。疲れてたのかあっという間に寝ちゃった…笑
次の日
約束通り10時ごろにぶらぶらと集まって掃除を始め、お昼は“こうなると思ってた”らしい潤が持参した材料を使って昨日掃除したキッチンでパスタを作ってくれた。
その美味しいパスタを食べ皆んなで一息ついている時俺はふとある事に気がついた。
雅「ここの家具ってどうなってるの?」
俺は何も無い部屋を見て尋ねる
和「後で届くんじゃない?」
翔「ごめん、言い忘れてたけど…家具はない。布団は届くらしいけど…」
潤「…まじか。家自体が狭いからそんなに家具いらないけど机と棚ぐらいいるよね?」
智「雅紀と潤で作ったら?」
潤「はっ?」
雅「えっ?」
智「異能で雅紀が木材出して、潤が釘とかネジとか作ったら出来るんじゃない?買いに行く時間もお金も無いし…」
翔「確かに、出来そうだよ?」
和「後の掃除は3人でやりますからちょっとやってみてよ」
俺は潤と顔を見合わせた。皆んな無茶苦茶言うよね…机と棚作るなら長さきっちり合わせて木材作らなきゃいけないし…それがどれだけ難しいことか分かってる?何十メートルも先の的を撃ち抜くような話だよ?
潤「…やってみる?ダメならダメな時でしょ」
意外だ…絶対断りそうな潤が話にのった。こうなったらやるしか無いよね…
雅「出来なくても怒らないでよね」
和「怒らないよ。じゃお願いしますね」
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作者名:紀衣 | 作成日時:2021年1月11日 21時