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11. 疑問 ページ11

「ふぅー…」


少なからず緊張していて気付かなかったのだろう。先生が帰り一息つくとふと疑問が浮かんできた。


(そういえば、さっき異能力者の話をしたけど異能力者が何か誰も聞かなかったし、すぐに言われたことを信じた…それに自分の子供が異能なんか持ってた驚いてなかった…実は何か知ってた?…)


「ねぇ父さん」


「ん?どうした?」


「…異能とか異能力者についてなんか知ってた?」
 

この質問を投げかけると父さんの顔に驚きが広がったが、心を決めたように真剣な顔になり


「実は…お前に話してなかったことがあるんだ」


と言い出した。


「…何?」


「母さんの親戚なんだけどな…異能力者の家系なん
だ」


「えっ…」


「俺も母さんも異能は一切持ってないけどそういう人達がいて、異能というものが存在していることは知ってた。まさか、お前に異能が発現するとは思わなかったけどな…本当気付いてあげられなくてすまなかった」


「それは、俺が話してなかった事だし…そうなんだ…知ってたんだね…」


まさかの話だった。何か知っているのかと思ったけど、親戚が異能力者だったなんて知らなかった。僕は家系で異能が発現したのか?


そんな事ならもっと早く異能について言い出せば良かった…


家族で過ごした夜は穏やかに過ぎていった。



「行ってきます」


朝10時過ぎ先生が迎えに来た。


「行ってらっしゃい。身体に気を付けて元気でね」


と母さん


「しっかりな」


と父さん



そんな2人に見送られ僕は新たな世界へ一歩踏み出した。

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作者名:紀衣 | 作成日時:2021年1月11日 21時

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