拝啓、僕が歩んだ日々へ (ページ22)

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智春ページ22

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｢…さん、Aさん｣

｢あぁ、｣

私の名を呼ぶ声が聞こえてゆっくりと目を開けた。

飛び込んできた彼の親しい友人の心配そうな顔、黒い服を着た人達、一番奥には笑った顔の彼の写真。

人が徐々に捌けて行くのを見て葬式が終わったのだと知った。

彼との思い出を振り返り、彼を想っているうちに彼の葬式が終わっている、だなんて馬鹿みたいだと目を伏せた。

｢…残念、でしたね｣

彼の友人は少し声のトーンを下げてそう呟いた。

私を思って慎重に言葉を選ぶ彼が何だか可笑しくて｢そうですね｣と一言返しておいた。

そんな私の心情を察したのか、居心地が悪そうに｢それでは、｣と席を立った名前も知らない彼の友人。

ごめんなさいね、と会釈して彼の遺影のそばに行き、魅入った。

薄っぺらい写真の中で笑う彼は何を見て笑っていたんだっけ、なんて現実から目を背けるように考えを巡らせる。

それでも彼が死んだという事実は消えないということは分かっているから、また涙が溢れ出す。

…本当に、彼のために生きてきた人生だった。

生きる意味を失った今私はどうやって、何を糧に生きていけばいいのだろうか。

分からない。分からないよそんなこと。教えてよ、天月くん

こんな時、都合の良く彼の声が聞こえたり姿が見えたりしたらどれだけ救われるだろうか、だなんて考えていること、彼に知られたら笑われそうだ。

｢…すき、だよ｣

たとえあなたが死んでも。私の隣から、この世からあなたが消えたとしても。私は変わらずあなただけが好き。

たとえあなたが死んでも

｢私の生きる意味はあなたしか見い出せない｣

そっと遺影を指で触れて、唇を押し付ける。

沈む、沈む。彼がいなくなっても、それでも。

■〇▼
ーあとがきー

お久しぶりです、智春です。この名前久々に名乗ってじわります垢変しまくりクソババアです。クリスティーンじゃねえわ

さて、前のはつねちゃんの素敵なお話の後に続く意味不明なお話ですが私が当てはめたのは｢沈生｣という文字です。ありきたりだね！被ったらほんとにごめんね！ﾊﾊｯ！

当初暗くするつもりも人が死んだりする予定もありませんでした。おかしいね。やはりJin Say!!の方が良かったんでしょうか。もう私にはわかりません。

という訳でとても素敵な企画にお誘いくださりありがとうございました！一人だけ場違いですが楽しかったです！次の春音ちゃんのお話正直クソ楽しみです。

いえーい遺影！！！！！！！