*暗闇 ページ43
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私は、なおも手首を切り落としてこようとするイルミさんを、それだけは勘弁してください人道的にアウトですと必死に説得し続けた。
イルミさんは腑に落ちない様な顔をしつつもようやく諦めてくれたらしく、しょうがないなと息を漏らしていた。良かった、ほんと良かった。私の手首は守られた。
安堵の溜息をつくと共に私は自分の右手に手錠をかけた。手首にひんやりと冷たい感触が伝わってくる。
「よし、付けました!」
私が手錠をはめたのを確認するとイルミさんは渋々といった様子で左手に手錠を掛けた。
イルミさんが手錠をはめた瞬間、行き止まりだと思っていた壁がゴゴゴ、と音を立てて左右に開いていって奥へと進める様になった。
奥に灯りは見当たらず、かなり暗くて進むのを少し戸惑ってしまう。ちょっと怖い。
「ちょ、中暗すぎじゃないですか…?私行きたくないんですけど」
「行くよ。」
腰が引けている私とは裏腹に全く怯える様子のないイルミさん。やっぱ暗殺者強い。
イルミさんは、いやだ行きたくない!と駄々をこねる私をズルズルと引きずって闇の中へと足を進めた。いだっちょっ、引きずらないで手首もげる!!
抵抗を諦めた私は渋々立ちあがり、辺りの様子を伺いながらそろりそろりと歩く。やはり中は真っ暗で一メートル先の視界も怪しい。なんとか手探りで進んでいる有様だ。
ガチャガチャと手錠の鎖が擦れて出る音以外何の音もしなくて、なんだかすごく不気味だ。
お化け的な何かが出てきそうで嫌だ。いや別にお化けが怖い訳じゃないよ???
一方私と横並びで歩いているイルミさんは、この暗闇を全く意に介さずスタスタと足取り軽く進んでいく。
その何事にも物怖じしない性格、素晴らしいと思います。リスペクト。
*暗闇
『というかなんでこんなに暗いのにイルミさんは普通に歩けるんですか?』
『職業柄、夜に行動する事が多いから暗闇に慣れる訓練とかしてたんだよね。だから夜目が効くだけ。』
『アァ〜生々しい〜聞かなきゃ良かった〜』
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まる坊(☆^〇^☆)(プロフ) - 告白の次、常識の前にある公平というページの名前変換に()がついていないので反応していません。()を忘れないようにして頂けると嬉しいです。この小説大好きなので、感情輸入してて( ̄▽ ̄;)お願いします。 (2017年1月11日 12時) (レス) id: 12c71fa02a (このIDを非表示/違反報告)
ぴくるす。(プロフ) - みずあいすさん» 報告ありがとうございます!常時その様に書いているのですが…変換機能が反応していませんか? (2016年9月12日 18時) (レス) id: d8cdc5c150 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 名前が変換されてません!普通に(名前)と書き換えてほしいです。 (2016年8月22日 12時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
ぴくるす。(プロフ) - あむみあむさん» 大体無気力系女子から一気読みとは…結構話数多いですよね、目は疲れていませんか?笑 お褒めの言葉ありがたく頂戴致します!文才はないので特訓中です笑 ありがとうございます、頑張りますね! (2016年8月13日 0時) (レス) id: d8cdc5c150 (このIDを非表示/違反報告)
ぴくるす。(プロフ) - Teke Raさん» Teke Raさんもイルミ好きですか!同志ですね!!私の拙い文章ではイルミのかっこよさが表現出来ているか不安でしたが…伝わってくれて良かったです!ありがとうございます、頑張りますね! (2016年8月13日 0時) (レス) id: d8cdc5c150 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴくるす | 作成日時:2015年8月18日 18時