*一興 ページ40
・
心の中で感想を漏らしていると何やら隣から負のオーラを感じたのでちらりと視線を寄越す。
…めっちゃ見てる!イルミさんめっちゃこっち見てる!
なんでだ!?と動揺しつつ様子を伺うと、なんとイルミさんが持っている手錠がギシギシと音を立てていた。
…あっ、そりゃ手錠付けるの嫌ですよねー、奇遇ですね私もですー。というかよく見ると手錠が微かに変形してる気がするのですがそれは。素手で鉄を歪ませるとはあなたの握力どうなってんですか。暗殺者ほんと自重して。
「…どうします?」
「どうするも何も…付けるしかないでしょ。最悪、他人とくっついて歩くとかほんと勘弁。」
心底嫌そうな顔をしたイルミさんは手に持つ手錠をかちゃかちゃと弄びながらうんざり、といった様子でこちらを見ている。
えっ私悪くないのになんでそんな非難の眼差し向けられなきゃいけないのですか?てか他人て。確かにそうだけど面と向かって言われると結構傷つくぞ。心の痛みというものを知ってほしい。
「そんな悲しい事言わないでくださいよー。ほら、二次試験で仲睦まじく料理した仲じゃないですか!」
「あれはやむを得ない状況だったから。」
「えぇ…勝手に誘拐したのそっちなのに…そんな嫌がる事ないじゃないですか……」
しゅん、と項垂れると私の頭に何かが乗った、と思うとそのままわしゃわしゃと髪をかき混ぜられた。
「ん、んん?」
ばっと顔を上げると何食わぬ顔で私の頭に手を乗せているイルミさん。つまりこれは、頭を撫でられている?なんで?
「…に、……」
「へ?なんて?」
上手く聞き取れなかったので聞き返す。するとイルミさんは私の頭をぐっと押して強制的に俯かせた。
「いだっ!ちょっ!」
「別に、嫌だった訳じゃない、って言ったの。何度も言わせないで。」
私の頭から手を離し、いつもよりほんの少し早口で放たれたその言葉に私は思わず顔を上げた。
私が顔を上げた瞬間、イルミさんにそっぽを向かれてしまった。けど、僅かに見えたイルミさんの顔は、やっぱり無表情だったものの薄らと笑みが浮かんでいた、様な気がした。
*一興
『兄弟揃ってツンデレ…だと…!?』
745人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる坊(☆^〇^☆)(プロフ) - 告白の次、常識の前にある公平というページの名前変換に()がついていないので反応していません。()を忘れないようにして頂けると嬉しいです。この小説大好きなので、感情輸入してて( ̄▽ ̄;)お願いします。 (2017年1月11日 12時) (レス) id: 12c71fa02a (このIDを非表示/違反報告)
ぴくるす。(プロフ) - みずあいすさん» 報告ありがとうございます!常時その様に書いているのですが…変換機能が反応していませんか? (2016年9月12日 18時) (レス) id: d8cdc5c150 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 名前が変換されてません!普通に(名前)と書き換えてほしいです。 (2016年8月22日 12時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
ぴくるす。(プロフ) - あむみあむさん» 大体無気力系女子から一気読みとは…結構話数多いですよね、目は疲れていませんか?笑 お褒めの言葉ありがたく頂戴致します!文才はないので特訓中です笑 ありがとうございます、頑張りますね! (2016年8月13日 0時) (レス) id: d8cdc5c150 (このIDを非表示/違反報告)
ぴくるす。(プロフ) - Teke Raさん» Teke Raさんもイルミ好きですか!同志ですね!!私の拙い文章ではイルミのかっこよさが表現出来ているか不安でしたが…伝わってくれて良かったです!ありがとうございます、頑張りますね! (2016年8月13日 0時) (レス) id: d8cdc5c150 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴくるす | 作成日時:2015年8月18日 18時