∂ω∂ 103 ページ7
ようやくはるという新しい彼女が出来て
数時間もせんうちに、俺が大子のことを
考えてしまったのは、大子とよりを戻したい
とかそういう感情ではなかったはずやと思う。
彼女とは少し気まずい別れ方をしていたし、
彼女と会えんようになってから色々な
噂を聞いていた。中には絶対嘘やろ、と思う
ようなんもあったけど、もしかしたら本当なんかな
と思ってしまうようなものもあって……
せやからずっと気になっていたんやと思う。
「廉くん、この辺住んどるん？」
2人で電車に乗って、隣に立ったはええけど
いざとなると気まずくて何も話し掛けられんでおる
うちに大子の方からそう聞いて来た。
「せやで、高校入る時に引っ越してきて……
大子は？あれから、こっちに来てたん？」
「……まだ、大阪におるよ……
市内の別の場所に引っ越しただけやから。
今日はたまたま1人で舞台見に来ただけ」
大子は中2の冬に俺と別れてすぐ、中3に上がる
春休みに突然引っ越してしまった。
どこへ引っ越すとも誰にも知らせんと
行ってしまったし、当時スマホどころか携帯電話も
持っとらんかった大子とはずっと連絡が
とれんかった。
「そか……あの、ごめんな。大子」
自然と、その言葉が出ていた。
大子が引っ越して行ってから聞いた、ある噂。
噂と言っても、もう半分確信めいたものが
あったから、そう言っていた。
「何が？」
大子は呆れたような顔をしてそう言ってくるけど、
きっとほんまは気づいてるんやと分かった。
「俺のせいで……色々、迷惑掛けてもうて」
大子が転校したのは、いじめが原因やった、
という噂。そしてそのいじめの発端は
大子が俺と付き合い始めたことや、という。
「廉くんのせいやないから……きっと、
うちがもともと学校と相性良くないだけなんよ。
結局高校も辞めてしまったし……
ほんなら、ここで降りるから、な？」
衝撃的な事実を淡々と話す大子は、
もう俺の知っている明るい彼女やなくて
色んなことを諦めたような顔をしていて……
気づいたら彼女の手首を掴んでいた。
ドアが閉まって、再び電車が動き出していた。
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夜木(プロフ) - しおりさん» たびたびありがとうございます。お顔が国宝な廉くんですが、地味な格好が何故か似合いますよね笑 (2020年3月24日 21時) (
レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 地味瀬くん、、好き、、、、キャラ設定がおもろすぎる。笑 (2020年3月17日 0時) (レス) id: b54a6cc2bc (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - しおりさん» もったいないお言葉ありがとうございます! ティッシュが品薄な時期に読んでいただいてなんか申し訳ないです笑 (2020年3月10日 22時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 時たま胸が苦しくなることもありましたが基本的には大爆笑して涙と鼻水を垂らしながら読めたので最高でした！ (2020年3月10日 22時) (レス) id: b54a6cc2bc (このIDを非表示/違反報告)
夜木(プロフ) - lightさん» いえいえ！こちらこそ、これまで応援ありがとうございました。8割自己満で書いていますが、需要があるんだ！と思うとめちゃくちゃ嬉しいし頑張れました。 (2020年3月8日 17時) (レス) id: 9b6e1cc694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜木 | 作成日時：2019年1月6日 14時
