年上のお姉さん【キングダム】 (ページ16)

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お互い魏国民も秦国民も殺している

そんな背徳感が二人にはあった

お互い相手を拒めないのは何か惹かれ合うものがあったからであろう

輪虎の腰に腕を回しながら思う

(この人が秦国の人間だったらなー。)

人々が行き交う町を離れ丘の上についた

「着いたよ。これが僕のお気にりの場所。町がよく見えるだろ？」

『キレーい。魏国って華やかなんだね。秦とはまた違って素敵。』

しばらく二人は眺めていた。

「なんで君をこんなところに連れてきたのかと自分でも思うよ。次会うときは敵同士かもしれないのに。」

『私もこんなにあっさりついて来ちゃって。軽い女じゃないのになー。』

多分これは私の初恋だ。

輪虎が私の手をとる。

「僕はね大将軍になるのが夢だ。そうなったら意地でも君を魏国に亡命させるよ？」

笑顔で言っているが目つきは真剣そのものだった。

『こんな初めてあった敵国の女によくそんなこと言いますね。私がスパイかもしれないのに」

「スパイだったらそれはそれで構わない。僕にいつでも会いに来てくれればいいよ。
初めて会った君にこんなこと言うのはおかしな話だけどこれは天が巡り会わせてくれた運命的な出会いなんだと思う。君のそう思うだろ？」

そう言って私を後ろから抱きしめた。

正直嬉しかったが、今は国や部下のことを思うとなんとも返事ができない。

『私は秦国の人間です。そんなこと言われると戦場で会ったときあなたを切れなくなってしまう。』

「僕は切らないよ。たとえどんな状況でも。秦国を制圧できるぐらいまで圧倒的な強さを手に入れる。
なんなら君の父の王騎将軍もやっちゃおうかな？そしたらサラを貰っても誰も文句ないよね？」

『なに言ってんの。王騎将軍をやるどころか一太刀も浴びせられないわよ。それにもしやったら私があなたをやるわよ』

たわいもない談笑をしていると

日が暮れてきた

『私そろそろ戻らないと、部下が今頃探しているわ。』

「そうだね。下まで送るよ」

二人乗りして戻っていると輪虎が
「このまま駆け落ちしゃう？』なんて冗談言ってくるから

『しない！！そしたら王騎将軍に輪虎殺されちゃうよ！』

しばらくすると町の入り口についた。

『ここでいいよ。人に見られるかもしれないし。』

輪虎の顔がどんどん近づいてくる

これは！と思いとっさに目を瞑ると

額にキスをされた

『！！！』

「今はこのくらいにしとくよ。続きはいつかまた」