第十三話 ページ15
「……なあ、A」
「なんでしょう、アレン様」
「お前、エリザを好ましく思ってないからと、ああいう態度はしてはならないと思う」
朝から、私は何を聞かされているのだろう。
私がエリザを好ましく思ってない？ それはわかる。百歩譲ってようやくわかる。だが、ああいう態度とは何を言っているのだろうか。いや、その前に私の羨ましさからくる嫉妬はそこまで形となって表れていたのだろうか。
言われたことを理解できていない私を見て、アレン様はため息をつかれた。
……そういえば、最近アレン様と会話が増えてきた。この前エリザと話したときとは違い、少し殺伐としているが。
それが、なんとなく嬉しい。
「エリザの友人が言ってたんだ。Aがエリザに嫌がらせをしていると」
「……嫌がら、せ……？」
「まだ俺とお前は婚約者なんだ。面倒なことは起こさないでくれ」
まて、嫌がらせって、なんだ？ 私は彼女に嫌がらせをしたつもりはない。暴言だって暴力だってやったことはない。
誰だ。誰がそんな嘘を流した？ 私のことを、憎んでいるのかしら。確かに何人だっているでしょうね、そういう人。でも、今まで大人しくしていたのだから、ずっと大人しくしていればいいのに。
……私とエリザを、両方潰そうとしている人が居るのかしら。
「……冗談じゃないわ」
低く呟いた声はアレン様に拾われることはなかった。そのことに安堵する。
教室に入れば、エリザが自分の席で俯いていた。話しかけることは憚られたが、ほんの少しだけ、と首を伸ばしてその視線の先にあるものを見た。
絶句した。
彼女の手に握られていたのは、
＿＿＿＿＿＿なんて低俗な、言葉の暴力でしょう。
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ふう(プロフ) - 読ませて頂きました!!もうほんと途中胸痛かったけど、最後ハピエンで良かったです!!何か、自分をみてくれないって思ってたところがえりざ?ちゃんと夢主ちゃん似てるな、って思いました!!素晴らしかったです! (2019年9月13日 17時) (
レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真冬 | 作成日時：2018年1月19日 23時
