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第二十一話 ページ23

『それでは皆様、高貴なパーティを始めましょう』

アナウンスが流れた。それまで揃ってステージの方を向いていた貴族たちは、目の前の料理かご友人とおしゃべりを始める。

学園パーティが、とうとう開催されたのだ。

パーティといっても、晩餐会のように席順が決まったものでもコース料理が出るものでもない。おしゃべりを楽しむというところは同じだ。
いうならば、舞踏会と晩餐会を混ぜ合わせたような感じだ。

入場は一人でやろうと思っていたのだが、「それでは外観がよくない」とアレン様も付き添ってくれた。付き添ってくれただけで、別に私自体に興味があるわけじゃない。現に今、彼は先程のアナウンスが終わった直後、「エリザの方へ行ってくる」とどこかへ行ってしまったし。
今まではーーまあずっととは言わないけれどーーパーティが終わるまで隣にいてくださったので、一人になった時、私は完全に取り残されたような感じになった。おしゃべりをして笑い合う御曹司や御令嬢の方々は、まあなんとも楽しそうだった。

当然だが私には友人がいない。エリザならまだ望みはあったものの、明らかに距離を置かれている。というより、途中でアピア様がどこかへ連れて行ってしまうのだから、話もまともにできない。
私の後をついて回る御令嬢も中にはいたが、エリザの嫌がらせの主犯が私だという噂が広まった今、それをするような人はいなくなった。
アレン様もエリザに夢中だし。

溜息を吐きかけたが、それをこらえる。昨日ヴィシア様に指摘されたばかりだ。

豪華な装飾のされた皿の中にあるお菓子を口に入れる。うん、美味しい。国内でも有名なパティシエ数人に作ってもらったのだ。味の好みはあれどどれも美味しいことに変わりはない。お菓子好きな人にとっては天国だろう。


「あの……」

「御機嫌よう。どうかいたしましたか?」

「御機嫌よう、です……? えと、おしゃべりの相手を、お願いしたいのですが……」


そう緊張しながら話しかけてくる彼女は、この辺りでは珍しい黒髪に真っ黒の目をしていた。東洋ではこういう方が多いと聞いたことがある。


「ええ、構いませんわ。ところで、東洋の方なのかしら? 綺麗な髪と瞳ですわ」

「ありがとうございます。ガルワ様も、すごくお綺麗です。先程見た時から、思いました」

「嬉しいですわ」


おしゃべりを続けていると、剣舞を行う時間が迫っていた。
では、とお辞儀をしてその場から去る。

また話したいと、そう思った。

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ふう(プロフ) - 読ませて頂きました!!もうほんと途中胸痛かったけど、最後ハピエンで良かったです!!何か、自分をみてくれないって思ってたところがえりざ?ちゃんと夢主ちゃん似てるな、って思いました!!素晴らしかったです! (2019年9月13日 17時) (レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真冬 | 作成日時:2018年1月19日 23時

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