73 外交官 ページ23
大丈夫、大丈夫。〈紅茶好きの少女〉を演じればいいんだ。
無理やり落ち着かせようとしている脳とは違い、体は正直に震えている。
バレないように。
そう思いながらカップに指を引っかける。
『…いただきます。』
オス「ど〜ぞ!」
紅茶を喉へと流し込んだ。
…あれ?
『美味しい…!』
オス「良かっためう〜。」
苦手だったはずなのにこの紅茶は普通に飲むことができる。
何でだろう？
そう思っていると、オスマンさんが心を読んだかのように口を開く。
オス「紅茶は入れ方で味が変わるんやで。」
オスマンさんは満足そうに笑っている。
…絶対この人私が紅茶苦手なこと見抜いてたな。
となれば、あの心から飲んでほしそうにしていた表情も作っていたことになる。…本当に飲んでほしかったからかもしれないけど、意図的にしてきたことは確実だろう。
私は能力のお陰で相手が嘘をついているかとか、そういうことが分かる。その人の空気がその時だけ変わるから。
けどオスマンさんはずっとふわふわとしていて何も掴めなさそうな空気しか見えない。
流石ラスボスと言わざるを得ない。
そろそろ本題へ入ろうと口を開く。
『ところで今呼んだのはお茶会をするためだけじゃないでしょう?ラ、オスマンさん。』
オス「ラ?」
『噛んだんですよ。スルーしてください。』
言えない。ラスボスって言おうとしたなんて言えるわけがない。
とりあえず心の中でもラスボスって言わないようにしよう。うっかり口に出してしまいそうで怖い。
オス「そうなん?まあ、ええや。Aちゃんを呼んだのはいっぱいお話しするためめう〜!あ、そうや!紅茶の入れ方教えるから部屋で入れてみたらどうや?」
『入れる場所ありましたっけ?』
オス「ん?Aちゃんの部屋なら本棚のある方の壁に小さいキッチンとかトイレ、風呂場に繋がる扉があったはずやで?本棚に隠れて見えなかったんかな?」
『あ、そうかもしれませんね。』
オス「ちなみにAちゃんの部屋の家具、俺が選んだんやで〜。」
『そうなんですか?!センス良いですね!』
本題へ入ろうとしたのにも関わらず、はぐらかされ、オスマンさんのペースへと呑まれていく。
ちゃんと頭では分かっていてもそこから脱け出すことが出来ない。
凄腕の外交官様はやっぱり一筋縄ではいかないと分かっていながらも少し悔しく思った。
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こすもす姫 - ＫＺファンさん» きっと、娯楽姫だからですね!余裕で宙を舞ってからの着地が出来るんでしょうね!…チートですな。 (2019年1月27日 20時) (
レス) id: 05a24f2a78 (このIDを非表示/違反報告)
ＫＺファン - 夢主ちゃんの身のこなしが凄い！！！ (2019年1月27日 17時) (レス) id: 7d84edeee2 (このIDを非表示/違反報告)
*コノハナ サクヤ* - 本当ですか！？ありがとうございますm(__)mええ、載せれなくても構いませんよー！けど、一応載せ方調べておこうかな？(-_-)では、早いうちに(*^_^*) (2019年1月15日 0時) (レス) id: d37be746f7 (このIDを非表示/違反報告)
こすもす姫 - *コノハナ サクヤ*さん» ありがとうございます!いやあ、夢主ちゃんのイメ画描こうと思っても下手で描けないんですよね…。描いてくださるならお願いしたいんですけど私、画像の載せ方が分からないので公開は難しいかもです、ごめんなさい。それでも宜しいならぜひ、お願いします! (2019年1月14日 8時) (レス) id: 05a24f2a78 (このIDを非表示/違反報告)
*コノハナ サクヤ* - お、お、面白過ぎる…！夢主ちゃんのイメ画が描きたくなりました(笑 )良いなら描かせて貰いたいです！無理はしない程度で更新頑張って下さいね！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: d37be746f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こすもす姫 | 作成日時：2018年12月28日 20時
