事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】 (ページ9)

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139　鎖と絆ページ9

｢"出来て当たりまえ"の家なんだ。出来ない僕は家族として扱われない｣

竹林は言った。

｢昨日初めて親に成績の報告ができたよ｣

"親"。

｢どれだけ血を吐く思いで勉強したか!!｣

それは切っても切れなくて、

｢僕にとっては、地球の終わりよりも百億よりも｣

自身と密接に結び付き、

｢家族に認められる方が大事なんだ｣

時には鎖になる存在。

｢裏切りも恩知らずも分かってる。君達の暗殺が上手くいくことを祈ってるよ｣

渚と神崎ちゃんのやり取りを聞きながら、

立ち去る竹林をじっと見つめた。

進学校に入れた親は、それなりに自分の子供に期待を寄せているはず。

その分、子供が背負う鎖も重くて。

普通の家で育った私には、解りきれないかもしれないけど。

…ていうか、皆気付こうよ。

…上の方に殺せんせーいるんですけど!!

＿＿＿＿＿＿＿＿

ｶﾞﾗﾗｯ

｢おはようございます｣

出たよ日焼けバージョン。

｢急きょアフリカに行って日焼けしました。ついでにマサイ族とドライブしてメアド交換も｣

夏の時も思ったけどそんな簡単に焼けませんから!

｢これで先生は完全に忍者!!人混みで行動しても目立ちません｣

『｢｢｢｢恐ろしく目立つわ!!｣｣｣｣』

黒過ぎるやっぱり!!

｢自分の意思で出て行った彼を引き止める事は出来ません｣

…そうだ。

｢新しい環境に彼がなじめているかどうか｣

たとえ下を離れても自分の教え子。

｢先生にはしばし見守る義務がある｣

"どんな時でも自分の生徒から触手(て)を離さない"

そう、誓ったんだもんね。

皆の方に目を向けると、

｢俺等もちょっと様子見に行ってやっか｣

前原、

｢なんだかんだ同じ相手を殺しに行ってた仲間だしな｣

杉野、

｢脱けんのはしょーがないけど、竹ちゃんが理事長の洗脳でヤな奴になったらやだな～｣

陽菜達の言葉が聞こえる。

そう来なくっちゃ!

｢殺意が結ぶ絆ですねぇ｣

＿＿＿＿＿

またまた放課後。

｢結構うまくやってるみたいじゃない｣

｢むしろ普段より愛想良くね?｣

カモフラージュ技術で見張りに出かけた。

植物違うけど良いのかなコレ!?

｢メガネの色ツヤも良さそうだ｣

それあんま関係な…

『あっ』

浅野君に呼ばれる竹林。

｢理事長室に入ったようですねぇ｣

｢くそ。カーテンで中が見えねぇ｣

ついにそこまで来ちゃったか。

渡されるんだよね…。

…作・浅野学秀の、

世にも恐ろしい原稿が。