事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】

138　メガネ(爆)編入騒動 ページ8

その翌日、つまりは9月1日。


｢出五かぁ…｣

｢初日から縁起悪りーな｣


そうだ。



まずはこっからじゃん。



相変わらず壇上が見えない中、式が終わるまでじっと待つ。


そして、

《今日から…》

9月編イベントラッシュの…、


《3年A組に1人仲間が加わります》


火蓋が切って落とされた。


《昨日まで彼は、E組にいました》

｢｢｢｢!!?｣｣｣｣


皆の空気がはっきり歪む。


《では彼に喜びの言葉を聞いてみましょう!!》


未来の加入より今の離脱。


《竹林、


孝太郎君です!!》



…集中しなきゃ、目の前の事に。




スピーチの内容は解ってたけど、


《その環境を一言で言うなら、地獄でした》


…平和に聞ける訳が無い。


《やる気の無いクラスメイト達、先生方にもサジを投げられ》


勿論事情は知っている。


《負けた自分の代償を思い知りました》


だけど芽生えてくる不満。



進む漫画通りのスピーチ。


《こうして戻って来られた事を心底嬉しく思うと共に》


ダメだ。


《二度とE組に落ちる事の無いよう頑張ります＿＿＿＿＿＿以上です》



理性と感情が一致しない。




沸き上がる拍手と共に感じる。



＿＿＿＿初日からこんなんだなんて…


絶対、大丈夫じゃない!!


＿＿＿＿＿＿



｢なんなんだよあいつ!!百億のチャンス捨ててまで脱けるとか信じらんねー!!｣

｢しかもここの事地獄とかほざきやがった!!｣


思いっ切り怒る行動派の人達。


まぁイラッとは来るよね。


｢とにかくああまで言われちゃ黙ってらんねー!!放課後一言言いに行くぞ!!｣


一部がいきり立つ中、神崎ちゃんを始めとした考えこんでいる人もちらほら。


｢Aちゃんはどう思う?｣

『私?』

推理家の優月も例外じゃ無かったみたい。


『…確かに許せない。けど大なり小なり、それなりの理由はあるよ』

やや慎重に言葉を選ぶ。

｢なるほど。どんな犯行にも動機がある…って事か｣

『うん』

｢真相が解るのは放課後か…｣

『真相って…』



そんな会話も、



チャイムと共に消えていく。


＿＿＿＿＿＿＿


放課後。

殴り込んだ私達を代表し、

｢説明してもらおうか。何で一言の相談も無いんだ竹林?｣

磯貝君が聞いていく。


｢夏休み旅行で竹林君いてくれて凄く助かったし!!普段も一緒に楽しく過ごしていたじゃないですか!!｣

ごめん"普段"がメイドなのはどうかと思う愛美ちゃん。


カルマの挑発にも乗らず、竹林は答えた。






｢…せいぜい十億円｣

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