171 絶体絶命危機一髪 ページ44
「でも皆さん」
ふと我に返る。
「彼がイケメンでもさほど腹は立たないでしょ」
「…え?」
「ああ…うん」
そしてされたのは、
「それは何故?」
「何故って…」
あまりに素朴過ぎる質問。
「だって、単純に良い奴だもんあいつ」
これがひとまずの答え。
「それ以外に理由いる?」
共に頷く。
これが、人徳ってや…
ガチャッ
…つ。
まずい。
「報告通りバイトをしてる奴がいるぞ」
「い〜けないんだぁ〜磯貝君」
「!!!!」
出ました来ました五英傑!
ここぞとばかりに発される、
「これで二度目の重大校則違反」
浅野君の非情な声。
「見損なったよ磯貝君」
…最悪。
______
「…浅野。この事は黙っててくれないかな」
確かに私立校生徒の家庭は、それなりの収入があるのが前提。
…けど、磯貝君は、
「今月いっぱいで必要な金は稼げるからさ」
お父さんが交通事故で。
「…そうだな」
E組制度の事もあってか、
「僕も出来ればチャンスをあげたい」
自主退学は出来ない状況。
「ではひとつ条件を出そう」
でもその弱みに、
「闘志を示せたら…」
若き支配者は…
「今回の件は見なかった事にする」
容赦無く付け込んでくる。
「椚ヶ丘の校風はね、社会に出て戦える志を持つ者を何より尊ぶ」
なんせ理事長あの過去だもんね。
「違反行為を帳消しにするほどの尊敬を得られる闘志」
息子の笑顔に怖さを感じる。
「それを示すには…」
…出た。
漫画に無かった台詞を聞く。
「体育祭の棒倒し」
______
翌日、男子達の間で話し合いが開かれた。
居なかったから聞けなかったけど、内容はバッチリ入ってる。
その数日間、男子達は揃いも揃って忙しそうだった。
偵察ラジコンを走らせたり、
作戦を考えてたり。
先生はこう言ったはずだ。
「作戦の全てに常識外れを混ぜなさい」
…ホンット、常識外れ過ぎて驚きだよ。
そんな、
リーダー同士の争いは____
「ふぉぉカッコいい木村君!!もっと笑いながら走って!!」
____あっという間にやってきた。
《C、B、D組!!A組以外リードを許させるな!!》
私も競技に出たけど、
《E組がまさかの2位になるとは!》
出されたのは…
《驚愕の女子1000m走!!》
終了直後の会話。
『…何、で、私、が……』
「仕方ないよ〜。メグちゃんとかの体育会系は短距離に出場だし」
『そういう何でじゃない、陽菜…』
118人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソウルビート(プロフ) - 麻希リョウさん» 有難う有難う!!Aに一票、っと…。メモしときます(*’▽’) (2016年3月2日 21時) (レス) id: 8df022a000 (このIDを非表示/違反報告)
麻希リョウ(プロフ) - 大丈夫だよ、ちゃんと祝うから。血液はAがいいな (2016年3月2日 21時) (レス) id: cdf4b9cfe9 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルビート(プロフ) - 麻希リョウさん» ありがとー! リョウちゃんの合格を心から願っております! (2016年2月29日 20時) (レス) id: 8df022a000 (このIDを非表示/違反報告)
麻希リョウ(プロフ) - ソウルちゃん、おめでとう!オレも後もう少し… (2016年2月29日 20時) (レス) id: cdf4b9cfe9 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルビート(プロフ) - 鈴音さん» どーもー! (2016年2月29日 19時) (レス) id: 8df022a000 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソウルビート | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/beat4101
作成日時:2015年10月11日 18時