事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】

170　午後と紅茶 ページ43

｢Aさん、今日放課後空いてる?｣

『うん。どんな用事?』

｢磯貝君のバイト先に皆で行くの!｣


『…磯貝君の…バイト先?』


…茅野ちゃん。

…よほどの事が無い限りそれって…。


『…行く!今日予定無くて助かった!!』

｢いきなりどうしたのその食いつき!!｣


＿＿＿＿＿＿



｢そんじゃ磯貝ウエイター、紅茶6つ｣

｢だからやめろって言ってるだろ、その呼び方｣

｢前原よくここ来てんのか?｣

｢まー応援もちょいと兼ねてな｣

｢今不満すら笑顔で返してたね｣

『激しく同意するよ渚に』



そんなやり取りの後雑談しながら過ごすうちに、


｢うーむ、イケメンだ｣


漫画の時はやってきた。


やっぱり磯貝君は、


｢原田さんモカで伊東さんエスプレッソWでしたよね。
本日店長おすすめでシフォンケーキありますけど｣
｢あ、じゃあそれ2つ〜｣


てきぱきと作業をこなしてく。


｢実にイケメンだ、うちのリーダーは…｣


本日二度目ですが…、


｢殺してぇ｣


…激しく同意としか…



…出て、こないんですけど。



その後も磯貝君は、


｢はいはいゆすられてやりますよ。出がらしだけど紅茶オマケな｣


｢うち母子家庭なもんで。俺も少しは家計の足しにならないと｣


イケメン行動のオンパレード。




生で見た感動冷めやらぬうち、


｢あいつの欠点なんて貧乏くらいだけどさ、それすらイケメンに変えちゃうのよ｣

始まるイケメン行動禄。


｢激安店のを安く見せず清潔に着こなすしよ｣

!

｢あいつの金魚料理メチャ美味いし｣

!!

｢紙が三角に畳んであった｣

!!!

｢紙なら俺も畳んでるぜ。三角形に｣

黙っとけお前は。


｢見ろよ。あの天性のマダムキラーぶり｣

!

｢僕もよく近所のおばちゃんにおもちゃにされる｣

それは不敏!



｢本校舎の女子からラブレターもらってるしよ｣

!

｢あ…私もまだもらうなぁ｣

ねぇ性別!


そんなテンポにスッと割り込む、

｢イケメンにしか似合わない事があるんですよ｣

飲食中の担任さん。


｢磯貝君や…｣



…確かに、



｢先生にしか｣



イケメンだ…。



ｶﾁｬ…ｶﾁｬ…




但し、




((((イケメ…何だ貴様!?))))



"元"。



｢ここのハニートーストが絶品でねぇ。これに免じて磯貝君のバイトには目を瞑ってます｣


確かにね、前はイケメンでしたけど!





…まぁ、



あぐりさんにはどうやらどストライクみたいだから……、




……いい、のかな…。

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