事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】 (ページ36)

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164　E組生徒ページ36

正門のオ"シロ"イバナが、綺麗な花を咲かせてた。

一度止まり、

『…負けないでよ』

呟いて、また歩く。

"日常"が、始まる。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

｢おはよ、Aさん｣

『……』

｢…どうかしたの?｣

『ううん。何でもない』

茅野ちゃん。

…次は、あなたの番だね。

今日も良い日。

ｶﾞﾗﾗｯ

…ううん。

｢おはようございますイトナ君。気分はどうですか?｣
｢最悪だ。力を失ったんだから｣

…"これからも"、

とてもいい日。

｢でも、｣

…改めて、

｢弱くなった気はしない｣

宜しく。

｢最後は殺すぞ…

…殺せんせー｣

"E組の"、

堀部糸成。

奴の手先じゃない、

私達の大事な仲間。

『席解る?』

｢ああ｣

左隣が今日埋まる。

｢おい村松、金がない。吐くのガマンするからラーメン食わせろ｣
｢あァ!?｣

やれやれと思いつつも、

『…ふふっ』

どこか、笑いたくなる。

これでE組は、

名実ともに29人。

…ホントなら、28人。

私は、居なくてもいい。

未来を変えるとか、そういった事は何もできない。

けどここにいる。

いさせて、貰えてる。

それって凄く＿＿＿＿

＿＿＿＿身勝手かもしれないけど、

凄く＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿幸せな事なんだろうな。

昨日とは違う。

グラつかず、

私が私でいられてる。

それが結局のとこ、

私らしいって事かもしれない。

明確な答えなんて、

どこにも無いんだろうけど。

＿＿＿＿＿＿＿

授業中、昨日の夜へと戻る記憶。

"彼女"との会話。

｢…取れちゃうんだね｣

『…触手の事?』

｢うん。…触手って、あんな簡単に取れちゃうんだなー…って｣

その時私は見た気がする。

茅野カエデではない姿を。

…そうだ。

奴が乗り込み立ち去る時も、

どこか哀しそうな表情だった。

…"視えた"のに見えていなかった。

自分でいっぱいいっぱいで。

…もしかしたら、

もうあの段階なのかもしれない。

"触手に宿った殺意が膨れ上がって、思いとどまる事を許さなかった"

その、段階なのかもしれない。

『良いこと無いよ…あんなの植えても』

様々な感情を込め言った。

語りかけるように。

事情を知らない人のように。

＿＿＿これが、とある人物にとある事を感じた、

ゆうべの、ひとつのお話。