事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】 (ページ30)

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158　駆け巡れ、縦横無尽にページ30

皆が走り出す。

脳が瞬時に判断する。

『優月!ちょっと律借りる』

｢えっ、あ、うん｣

ﾋﾟｺｰﾝ
《ご用件をお願いします!》

少し早口気味に伝える。

『今の状況把握してるね?奴等の居場所地図に出せる?』

《はい、お任せ下さい!》
ﾋﾟｺｰﾝ
『早っ』

画面に出た2つの丸い点。

《こちらの青い点が私達、赤い点がトラックの現在地です》

流石クズ策士、戦場は近場。

『…ありがと。皆のスマホにも転送して』

《了解です!》

＿＿＿＿＿＿

走った。

走った。

走った。

身体中の細胞が叫んでた。

全力で殺れ。

そして、救えと。

その数分間私は"視た"。

非人道的な作戦内容。

V→＜の教唆術。

"視てる"うち、ひとつの式が脳によぎった。

〈凄く嫌いな奴×凄く助けたい人=最上の憎悪〉

…何を考えてるんだか。

＿＿＿＿＿＿

『戦場、到着…』

遂に行き着いたあの空き地。

ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

銃声音が鳴り響く中、白い仕切りが囲ってる。

漫画じゃ見えない部分に配置。しかもガムテで留めてるんですけど。

｢これ、全部布だ…しかも丈夫｣

視野の広い三村がすぐ気付く。

即興で作戦とチームが組まれ、

『あ、ガムテ発見…』

放置してあった未使用のガムテを手当たり次第いくつか渡す。

そうして準備は整った。

｢…行くぞ!｣

…さぁ…、

裁きの時間ですよ?

＿＿＿＿＿＿＿

ｺﾞﾛﾝｺﾞﾛﾝ

｢はい簀巻き簀巻き～｣
｢一丁上がりと｣

｢…!!｣

驚く手下のこめかみを、ｶﾞﾝｯとハンドガンのクリップで殴る。

｢おいそこまでやらなくたって＿＿『急ぐよ!』

杉野の制止も聞かないで、

巻いて巻いて殴って巻いて殴って殴って殴って殴っていった。

そして最後に、

ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾝ

｢…また君か｣

『鞄じゃないだけマシだと思え』

奴の目に向かって数発撃った。

義眼の方で勘弁してやった。…全弾避けやがって。

流石触手を避けるだけある。

『周り見れば?小娘なんか相手にするより』

｢?｣

奴が振り向き、

｢…!!｣

全滅光景に固まる隙に、

｢おまえら、なんで…｣

囚われ者の下へと急ぐ。

速水ちゃんのツンデレ発言直後に着き、

ｻｯ
『…これで少しはマシだから』

頭付近のネットを浮かす。

…毛布持ってくれば良かった。

ｶﾞｺﾝ
｢撃つのやめたら…ネットなんて根元から外されちゃうよ｣

先生がネットを外す中、感じた。

"彼"じゃない呼吸を。