事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】 (ページ26)

今日:10 hit、昨日:4 hit、合計:111,677 hit

155　立て、戦線にページ26

｢らしく無ェって言ってんだ｣

『…いや…そもそもらしいって…。…じゃあ、普段の私ってどんな感じ?』

｢あン?…生意気で、口が悪くて＿＿『聞いた私が馬鹿だった』

自分でも解ってるからそれ。

｢けどよ｣

『?』

｢ハッキリしてんだよ。自分ってヤツが｣

『……』

……この時何故か、

何も言い返せなかった。

｢何悩んでんだか知らねェけどよ、やりたいようにやりゃ良いだろ｣

『……やりたい、ように…』

むしろ、言い返す理由が無い。

｢もっと嫌がられるぐらい、ガンガン突き進んでんのがテメーだろが｣

『………』

｢こっちも調子狂うんだわ、ずっとそんなんだと｣

『………』

何も、言わなかった。

いや、言えなかった。

＿＿＿＿＿＿

そして、

《椚ヶ丘市内で携帯電話ショップが破壊される事件が多発しています!》

放課後。

皆の後ろで様子を見る。

｢…この破壊は触手でなくてはまず出来ない｣

…自分も一度やってるもんね。

｢担任として責任を持って彼を止めます｣

先生はどこまでも熱心だ。

｢彼を探して保護しなければ｣

…けど、皆に…。

｢………｣

｢助ける義理あんのかよ殺せんせー｣

助ける気は無い。

｢つい先日まで商売敵だったみたいな奴だぜ｣

先を知らないから。

｢あいつの担任なんて形だけじゃん｣

仲間と思っていないから。

＿＿＿＿＿＿＿＿ｶﾁｯ

スイッチが、

入ったような感覚だった。

今まで、

ずっと半押しされていて、

そのままだったスイッチが。

もう気付いていれば良かった。

…夏の時、

いや、それよりももっと前に。

いや、

今だからこそ気づいたんだ。

｢…それでも担任です｣

先を知るから余計に辛くて、

｢"どんな時でも自分の生徒から手を離さない"｣

先を知るから余計に憎む。

｢先生は先生になる時誓ったんです｣

だからこそ、

余計に＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿助けたいと、思う。

解放(かえ)たいと、思う。

物語を、

この手で、

この手で＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿紡ぎたいと、

想う。

『行かなきゃ』

自然と、声が出た。

目線が、私を見た。

呼吸は、不思議と落ち着いていた。

わからない。

らしいかどうかなんて知らない。

…けど。

＿＿＿＿＿＿＿やりたいようにやってやる。