事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】 (ページ25)

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154　休み時間の終盤ページ25

目覚ましより早く目が覚める。

支度をする。

朝食をとる。

…そして、

漫画を読む。

6月のあの日何であんなに興奮し、

7月のあの日何であんなに計算し、

今日のこの日何でこんなに不明瞭なのか。

適当に今日使いそうな道具を詰め、誰もいない家に言った。

『…行ってきます』

＿＿＿＿＿＿

旧校舎門の近くで見つけた。

まだ蕾のオ"シロ"イバナ。

…漫画通り。

不思議と何も感じない。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

教室はいつも通り。

…左隣も。

『昨日の事教える』

ぽつりと皆に声をかけた。

『昨日真犯人がいると睨んだ私達は、夜とある場所に潜入した。メンバーは＿＿＿＿』

＿＿＿＿＿＿

いくつかの質問に答えて説明を終わらせると、皆微妙な顔をしてた。

｢…シロの奴も容赦ねえな。俺等をいいように扱って｣

｢ちゃんと先生に謝んなきゃね｣

やっぱりそっちを気にしてる。

…解ってたけど。

＿＿＿＿＿＿

｢わ、悪かったってば殺せんせー!!｣

｢俺等もシロに騙されて疑っちゃってさ｣

…今どこに、いるんだろ。

左隣を横目で見る。

｢心配なのは姿を消したイトナ君です｣

周りの声が遠く聞こえる。

…もし人の心が歯車なら、

今の私は一部が欠け、近い部位がカラカラと空回りしている。

その歯車が無くても人は動けるけど、無いと一部を喪ってしまう。

答えが欲しい。

解決が日を跨ぐせいか、

感情の共有者がいないせいか、

あるいは…単なる憎悪とかのせいか。

何で先を知るのにこうなってるんだろう。

なんでだろう。

昨日私は戻れなかった。

今日も、これからも戻れるか解らない。

この先に待つ、辛い事、争い、衝撃が起こった時。

…そもそも、

私なんかが、この世界にいて良いんだっけ…?

そんな事まで、

考えている自分がいた。

＿＿＿＿＿＿

普通に振る舞おうとした。

心配されたら『明日辺りには戻ってるし』で返した。

…けど。

それは、一人で過ごしてた休み時間の終盤だった。

｢おい、綿原｣

『…あぁ…私?何寺坂』

こいつに話し掛けられたのだ。

『名字で呼ばないでくれる?私の事』

｢ンだよ今更言う事かよ｣

…まぁ、肝試しの時も咎めなかったけど。

『あんたぐらいだし、名字で呼んでるの。それに…、

…あんま好きじゃないから、この名字』

それだけ言って授業の準備をしようとすると、

予想外の言葉をかけられた。

｢らしくねェな｣

『は?』