事故トリ少女が紡ぎゆく糸【暗殺教室】 (ページ22)

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151　単純だらけの大暗殺ページ22

上空へと飛び込み迫る"彼"。

ｶﾞｷﾝﾄﾞﾄﾞｯﾋﾞｼｯ

｢まずフィールドを劇的に変化させそれから襲う｣

見えるのは激しい残像ばかり。

｢当てるよりまずは囲うが易し。君達の戦法を使わせてもらったよ｣

もうそれさっき聞いたから。

｢シッ…シロ!!これ全部テメーの計画か!!｣
｢そういう事｣

笑いながらよく言えんねそんな事。

全力で奴の声から耳を背け、

｢…すまない。烏間さんのさらに上司からの指示だ。
やりたくないが断れなかった｣

青ざめる鶴田さんを見て、

ｶﾞｷﾝｶﾞﾝｶﾞｶﾞｶﾞｯ

また激闘に目を移す。

きっと、いや、確実に漫画通り。

｢くっそ…俺等の標的(エモノ)だぞ｣

｢…いっつもいやらしいとこから手ェ回して…!!｣

『…ふざけんじゃないよ』

口を衝いて言葉が出る。

『アンタはそういう事しか出来ないの?人を操って自分は高みの見物で。
汚さにも程があるんじゃない?』

｢中々言うね。でもそれが大人ってものさ｣

……!

｢そうだ!中の様子が見えなくて不安だろう。私の戦術を詳しく解説してあげよう｣

小馬鹿にした口調で言わないでくれる?

解説は基本聞き流す。

中は見えないけど、

私なら"視える"。

ﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞｯ

押されてる標的(ターゲット)が。

皮肉にも生き生きとした"彼"が。

耳に入ってくる憎しみのこもった、

｢これで仕留められないようではね｣

血を逆流させる奴の声。

｢俺の勝ちだ。兄さん｣

…違うでしょ?

｢おまえを殺してたった1つの問題を解く。即ち｣

あなたが本当に欲しかったのは、

＿＿＿＿ｶｯ

｢最強の証明!!｣

＿＿＿＿＿＿強ければ手に入るような物じゃ、

なかったんでしょ?

ぬるんっ

｢!?｣

…動きが止まる。

ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

また始まる攻撃音の中、

ｷｭｷｭｷｭ

聞こえる布を結ぶ音。

｢ええ見事ですイトナ君。一学期までの先生ならば殺られていたかもしれません｣

また止まる。

｢でもね。君の攻撃パターンは単純です｣

そう。

｢いかに速くても、いかに強くても、いかに保護者が策を積み上げても、いかにテンパりやすい先生でも｣

"彼"自身が成長しなければ＿＿＿＿＿

｢三回目ともなればすぐに順応して見切ることが出来るのです｣

＿＿＿＿＿＿殺す事なんて、

｢バカな…こんなはずが｣

出来ない。

ｶﾞｼｨｯ

｢イトナ君。

先生だって学習するんです｣