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gr side
Aに異変が起きたのは会社に着く少し前だった。
電車の中ではいつも通りで元気だった。
しかし、歩き始めて数分後にAの足取りがおぼつかなくなっていって、
「……大丈夫か？しんどそうだが」
『……ん…大丈夫』
俺が何度か話しかけても、どこかうわの空だった。
そんな状態がひたすら続き、遂にAの会社に着いた。
「……じゃあ行くゾ。何かあったらすぐ言え」
小さく返事が帰ってきたものの、やはりいつもより頼りない声だった。
俺は別れる風を装い、Aを気にしながら歩いていく。
Aはフラフラとしながらもなんとか建物に入ったらしい。
それを確認した俺は、Aの会社の入口に向かっていく。
…やはり心配だった。さっきまでのAは誰がどう見ても体調が悪いことがすぐわかる。
俺はおもむろに会社に入ると、すぐにAを探す。
……すぐそこに、横たわって小さく呻き声をあげるAが居た。
一瞬にして血の気が引いていく感覚がした。
もし病気が悪化していたらどうしよう。
もし重大な事が起きていたらどうしよう。
…もし、助からなかったらどうしよう。
そんな嫌な妄想ばかりして、ハッと意識を取り戻す。
…そんなことを考えたって仕方ないのだ。
「…、A！」
名前を呼びながらAに駆け寄る。
すぐに救急車を手配し、そこらに居る人にも協力を求めて…。
しばらく経つとようやく救急車が来た。
俺も救急車に乗らせて貰えて、Aと一緒に病院へ行った。
救急車に乗ったものの何も出来ない俺は、やはり嫌なな事ばかり考えてしまって。
…体調が悪いことなんて本人もわかっていただろう。
何故頼ってくれないんだ。
何故、体調が悪いと一言言ってくれなかったんだ。
なんとなく、あの余命を知った日の出来事を思い出す。
…Aはあの時も俺を頼ってくれなかった。
…俺はそんなに頼りないのだろうか。
……俺は、ただ、
Aに生きて欲しいだけなのに……。
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クルーズトリパノソーマ(プロフ) - 久しぶりに思い出して見にきました。いつ見ても涙腺が崩壊してしまう…とても大好きな作品です！素敵な作品をありがとうございます。 (2022年12月30日 1時) (
レス) @page33 id: 374ec1f9c5 (このIDを非表示/違反報告)
んやも(プロフ) - koisiguさん» ありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです… (2021年4月23日 17時) (レス) id: 814ae4dc69 (このIDを非表示/違反報告)
koisigu(プロフ) - 何度見ても泣ける。ほんま、大好きです。神作をどうもありがとう！！ (2021年4月22日 23時) (レス) id: 68d0be93a8 (このIDを非表示/違反報告)
んやも(プロフ) - ミュウのぬいぐるみさん» ありがとうございます！沢山のお褒めの言葉を頂けて本当に嬉しいです。 (2021年3月22日 16時) (レス) id: 814ae4dc69 (このIDを非表示/違反報告)
ミュウのぬいぐるみ - 流石に涙無しでは見れませんね。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年3月22日 16時) (レス) id: b82930c744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：んやも | 作成日時：2020年6月22日 22時
