11 ページ11
少し強い風が、窓から入ってきた。
グルッペンの髪が風によって、私を求めるかのように、靡く。
私の髪はグルッペンから遠ざかるように、靡いた。
『と、いうことは、あのふざけた予告状はグルッペンが送ったんだね。』
グル「ふざけた?俺は大真面目にやったことだがな。」
どこが。あんな内容、グルッペンが真面目にやる筈がない。あんな、心にも無いようなこと。
グル「さあ、目的が分かったんだ。…盗ませてもらおう。」
そう言って一歩、私に近づいた。
『やめて。』
私はグルッペンを見据え、そう言い放つ。
グルッペンの足が、止まった。
『私は、そんなこと出来ない。…知ってるんでしょう?私の、事情。』
グル「…お前がそれに、縛られる必要はない。」
『私は、縛られてるつもりはない。私が望んで、やってることだから。』
グル「その出来事を、お前が望んだ訳じゃないだろう。」
望む訳ない。私が望んだ筈がない。
『今、私がいなくなったら、終わってしまう。…これは私が、私の力でやらなければならない。』
グル「何故、周りを頼らない。」
『それは、一番望まれてないこと、だから。強要することなんて、出来ない。』
グル「…そうか。」
グルッペンは私に背を向けた。
グル「いつもは宝の言い分など聞かないが…今回は特別だ。」
ごめん、グルッペン。でも私は、投げ出す訳にはいかない。
そう思ったけど、声には出さなかった。
何故ならこれは、私が悪いわけではないから。
グルッペンも、悪くない。
誰も、悪くなんてない。
だからこそ、苦しいんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1080人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こすもす姫 - 志麻セン寄りのcrewさん» 一気にお読みになられたのですか!?スゴいですね!面白いだなんて…ありがとうございます!!続編…少々お待ちを。 (2019年6月8日 11時) (
レス) id: 05a24f2a78 (このIDを非表示/違反報告)
志麻セン寄りのcrew - とっても面白いので一気に読んでしまいました！続編心から待ってます！(？)更新頑張ってください！ (2019年6月7日 22時) (レス) id: e4b55a25ee (このIDを非表示/違反報告)
こすもす姫 - ぐとさん» お優しいお言葉!!!嬉しいですありがとうございます。無理しない程度、ですね!了解です!お心遣い感謝いたします!代わりといっては何ですが、コメント返しは24時間経つ前に確実にいたしますので…! (2019年5月31日 20時) (レス) id: 05a24f2a78 (このIDを非表示/違反報告)
ぐと(プロフ) - 大丈夫ですよ！此方は見させてもらっている身ですし、何より気侭にやって行って欲しいなと思っていたので！無理は禁物！です！ (2019年5月31日 12時) (レス) id: 8d62b8c277 (このIDを非表示/違反報告)
こすもす姫 - 珈琲まめさん» ﾜｱｱｱｲ!!!!何時もありがとうございます!!!!赤いマフラーの彼、ですか…。んふふ、なんと言ったんでしょうね?ふふふふふ…。 (2019年5月9日 18時) (レス) id: 05a24f2a78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
