#黒ずむ視線 ページ8
《件名:俺は“メリーさん”
本文:今君の傍に居るよ》
差出人不明のメールにこんな事が書いてあったら、ぞっとするだろう。
私はぞっとした。
きょろきょろと辺りを見回すも、誰もいない。
恐い。
直感的にそう思い、その場から駆け出した。
視線。
黒い視線。
「かくれんぼ、開始」
そんな声が聞こえた。
この声……。
いや、考えてる暇は無い。
逃げなきゃ。
逃げて逃げて、逃げて。
_
逃げて、逃げて。
辿り着いたのは住宅地。
ここなら身を潜める場所がたくさんある筈だ。
だから来ないで来ないで。
見えない人影に言う。
「貴方は誰なのよ……」
人影は見えないけれど一瞬向こうの方に、光る切っ先が見えたような気がした。
逃げられない。
黒い視線は感じられないけど、間違いなく狙いは私だ。
がたがたと身を震わせる。
「どうして私が……」
どんなに泣いても、どんなに泣き言を言っても、誰も気づかない。
「……大嫌いだ」
呟きは空気に溶けた。
ｶﾀﾝ
足音。
固まる。
喋ってたのがいけなかったのかもしれない。
必死で口を閉じ、身を硬直させる。
来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな！
……足音が遠のいた。
ふう、と息を吐く。
バイブレーション。
着信。
震えながら携帯を開く。
《件名:俺は“メリーさん”
本文:君をいつも見てた》
いつも？
ヒラと学校に行くのも、一人でいるのも、ペンダントを着けるのも、ご飯を食べるのも。
見られて、いた？
辞めて。
「近づかないでよ……！」
黒い視線を感じる。
逃がしはしない、なんて。
言われてるような気がして。
お願い、見つけないで。
そんな願いも届かない。
遠くに見えるその人影が、何故か懐かしい……？
ああ。
「終わってよ……」
それでもかくれんぼの一巡目は終わらない。
ラッキーアイテム？
黒猫
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ローレン - はすにゃんさん» レス遅れて申し訳ありません！ありがとうございます！何度でも見てくださると本当に嬉しいです( 〃▽〃) (2016年11月23日 15時) (
レス) id: b6c39a0d0f (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - なにこれ完成度高すぎ！？涙出るほどのお話でした！ときどき見に来ます！ (2016年9月28日 21時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ローレンさん» え、読んで頂けてるのですか!?こちらこそびっくりです！嬉しすぎます！レスすみません、本当にありがとうございました！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
ローレン - 紫水さん» ありがとうございます！ 紫水さんの作品いつも読ませて頂いているので、紫水さんが読んで下さってると解ってびっくりしました笑 感動して頂けて幸いです！ (2016年7月21日 18時) (レス) id: 6cdcb3d4e1 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は怖いのかなと思っていたのですが、最終章ですごく感動しました。きっくんの気持ちを考えて何度涙が出そうになったことか…。とても面白い作品でした。次回作、期待させていただきます。長々と失礼しました。 (2016年7月21日 18時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ローレン | 作成日時：2016年5月19日 18時
