#お次に期待 ページ34
『こっくりさん』の呪いを解く方法はある。
それは、「額に五芒星を描く」という物。
しかし、呪いが完全に終わった今、それに意味は皆無だ。
ならば、どうすべきか。
＿＿“次”に期待すれば良い。
具体的にどういう事か。
それは。
「何だよ、急に呼び出して」
来た。
「うーん、ちょっと用があってさ」
と名前を呼ぼうとして、迷う。
これは確かに“あろま”だけど、あろまはあの時“えおえお”に成ろうとした。
呪いの効果が消えていなければ、“あろま”とは呼べな＿＿
「“あろま”で良い」
お。
「俺は＿＿“あろまほっと”だから」
「……そっか」
“えおえお”には成れない。
そう悟ったのだろう。
まああの“えおえお”は、完全に造られた者だった訳だから、努力だけでああは成れないだろう。
「で？ 何の用だよ？」
「うん。あのさあ」
ごめん。
俺は用意してきた物を取り出して、あろまの目の前に掲げた。
あろまは小さく息を呑んだが、少しだけ微笑んで目を閉じ、呟いた。
「何だ、そんな事か。……早くやれよ＿＿このクズ」
久し振りに聞いた、毒。
きっとあろまが解放された事を意味しているのだろう。
さて。
この鬼にクズと呼ばれた俺は、静かに言い放つ。
最悪な、最期の願いを。
「あろま。＿＿死のう」
あろまは笑っていた。
“次”への期待を胸に。
皆と、“次”こそは生きる為に。
今は、死のう。
振り上げた包丁は、あろまの首を掻き切る。
微笑んだまま、あろまはゆっくりと倒れる。
「……っ」
ごめん。
心の中で謝って、包丁を自らの首に当てる。
「……情けねぇなあ……っ」
今更。
死のうとしたその時に、涙が出てくるなんて。
「死にたくない」だなんて。
なんとまあ、我が儘で情けねえ奴なんだ、俺は。
「ふ……」
そんな我が儘。
俺が、赦さない。
「ごめんなさい」
最期にこの世に謝罪して。
俺は包丁を、首に突き立てる。
鋭い痛みが、全身を駆け巡る。
ふらっと倒れ、全身が地面に叩き付けられる。
そう。
これで良い。
ねえ、“神様”。
おいでになりましたら、どうか。
赦されないこの俺を、赦して下さい。
此が、「『こっくりさん』から全てを引き起こした少年」のお話。
ラッキーアイテム？
黒猫
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ローレン - はすにゃんさん» レス遅れて申し訳ありません！ありがとうございます！何度でも見てくださると本当に嬉しいです( 〃▽〃) (2016年11月23日 15時) (
レス) id: b6c39a0d0f (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - なにこれ完成度高すぎ！？涙出るほどのお話でした！ときどき見に来ます！ (2016年9月28日 21時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ローレンさん» え、読んで頂けてるのですか!?こちらこそびっくりです！嬉しすぎます！レスすみません、本当にありがとうございました！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
ローレン - 紫水さん» ありがとうございます！ 紫水さんの作品いつも読ませて頂いているので、紫水さんが読んで下さってると解ってびっくりしました笑 感動して頂けて幸いです！ (2016年7月21日 18時) (レス) id: 6cdcb3d4e1 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は怖いのかなと思っていたのですが、最終章ですごく感動しました。きっくんの気持ちを考えて何度涙が出そうになったことか…。とても面白い作品でした。次回作、期待させていただきます。長々と失礼しました。 (2016年7月21日 18時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ローレン | 作成日時：2016年5月19日 18時
