第六幕:猿に御願い ＿eoheoh ページ24
昔から大層な羨ましがりだった。
一番を取れなかったとなると羨み、褒められなかったとなると羨み、巧いこと行かなかったとなると羨み＿＿そんな奴だったのに、よく友達皆逃げなかったなあと思う。
いや、皆が優しすぎたからこんな事になったのだ。
皆が皆、無邪気で純粋で、優しすぎた。
俺は最も汚れていた。
俺の心は何よりも汚れていた。
_
ある日の事だった。
××××は突然俺に言った。
「ねえ、えおえお。お前の望みは？」
××××であって××××でない声。
俺の望み？
それは＿＿そうだなあ。
「プリンが食べたい」
「そーゆーのじゃなくてさ」
本当は言いたい願いがあった。
妬み恨み羨み、全てを抑える為の望み。
しかしそれを隠したいから、どうにかして騙ろうとしたのだが。
××××はぐっと俺に顔を近づけた。
「あなたの願い、叶えてあげようか？」
耳元で囁き、奇妙に嗤った。
ぞわっと、全身の毛が逆立つような感覚がした。
「……どうやって」
「これをやろう」
××××は俺の手に何かを握らせた。
それは丁度手のような形をしていて＿＿
「『猿の手』だよ。三つまで願いを叶えてくれる。まあ三つ目の御願いは命と引き換えだけど」
さらりと簡単にそんな事言うんじゃねえ。
突っ込みたかったが、声も出なくなっていた。
「じゃあね、えおえお。また明日！」
＿＿違う。
それは、お前の挨拶じゃねえだろう。
_
佐久間が消えFBが死んだのは、その後だった。
俺は驚いて泣いて泣いて泣きはらした憶えがある。
しかし学校はそんな事があったとしても勉強を進めなくてはならないから、少し間を空けて再開した。
そんな折、俺は見てしまったのだ。
いつも通り単語帳を開いて誰よりも普通に勉強している＿＿キヨの姿を。
どうして？
どうしてあんな事があったのに、友人が死んだのに、冷静でいられる？
冷静に、FB達の事なんて微塵も考えずに成績の事だけを考えていられる？
沸々と沸き上がったこれは、憎悪。
どうにかしてアイツに思い知らせてやりたい＿＿そうだ。
願おう。
一つ目の御願いは＿＿
『小テストで一位を取りたい』。
ラッキーアイテム？
黒猫
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ローレン - はすにゃんさん» レス遅れて申し訳ありません！ありがとうございます！何度でも見てくださると本当に嬉しいです( 〃▽〃) (2016年11月23日 15時) (
レス) id: b6c39a0d0f (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - なにこれ完成度高すぎ！？涙出るほどのお話でした！ときどき見に来ます！ (2016年9月28日 21時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ローレンさん» え、読んで頂けてるのですか!?こちらこそびっくりです！嬉しすぎます！レスすみません、本当にありがとうございました！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
ローレン - 紫水さん» ありがとうございます！ 紫水さんの作品いつも読ませて頂いているので、紫水さんが読んで下さってると解ってびっくりしました笑 感動して頂けて幸いです！ (2016年7月21日 18時) (レス) id: 6cdcb3d4e1 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は怖いのかなと思っていたのですが、最終章ですごく感動しました。きっくんの気持ちを考えて何度涙が出そうになったことか…。とても面白い作品でした。次回作、期待させていただきます。長々と失礼しました。 (2016年7月21日 18時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ローレン | 作成日時：2016年5月19日 18時
